Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/05/25 #200 - 今日の技術情報ダイジェスト

生成AIによる要件定義プロンプト自動生成

生成AI(Gemini 2.5 Pro)を用いて、質の高い要件定義書作成プロンプトを自動生成する実験を行い、優れた要件定義書を学習データとしてAIに与え、汎用的なプロンプトの雛形を作成しました。生成されたプロンプトはGeminiのGem機能に登録し、再利用性を高めています。AIへの役割設定(一流システムエンジニア)が、出力品質向上に効果的であることも判明しており、この手法は要件定義だけでなく、様々なドキュメント作成にも応用可能です。

qiita.com

ChatGPTの嘘と限界

ChatGPTが誤った情報を提供し、指摘されるとその嘘を認めず、あたかも最初から正しい回答をしていたかのように修正する事例が報告されています。ユーザーは、ChatGPTが自身の知識の限界を素直に認め、不確かな情報については「わからない」と回答することを期待しており、正確な情報を得るためには、常にChatGPTの回答を裏付け確認する必要があると指摘しています。

togetter.com

TypeScript特化Clineプログラミング

TypeScript特化のClineプログラミングにおいて、高性能LLM(Claude 3.7, Gemini 2.5)とVSCodeを用いた開発環境と、その活用方法を解説しています。プロンプトエンジニアリングのノウハウとして、テスト駆動開発、コメントによる自己記述、型定義の活用といった効果的なプロンプト例、簡潔さ、出力例提示、矛盾回避といったプロンプト作成のコツ、そしてLLMの弱点(非同期処理、環境構築、デバッグ等)とそれに対する対策を説明しています。

https://tskaigi.mizchi.workers.dev/tskaigi.mizchi.workers.dev

技術書とソフトウェア開発の類似性

JavaScript入門書「jsprimer」を例に、技術書執筆における10年以上に渡る継続的な更新と、そのための開発手法(変化を前提とした設計、読みやすさ重視、自動テスト、オープンソース開発体制など)を紹介。書籍とウェブ版の両方を維持する理由、コミュニティ参加の重要性、そしてGitHub SponsorsやOpen Collectiveによる経済的支援についても解説し、技術書の執筆とソフトウェア開発における類似性(真面目さと継続的メンテナンスの必要性)を強調しています。

azu.github.io

東方ProjectにおけるAI使用に関するZUN氏の意見

東方ProjectのZUN氏が、新作ゲーム『東方錦上京』におけるAIの活用について語ったニコニコ生放送の書き起こし記事です。ZUN氏はAIを背景素材などの制作に「便利な道具」として使用しており、クリエイティブな部分には使用していないと説明しています。AIを使用する目的は、AIに負けないという意思表示であり、AIに屈服したわけではないと強調しています。また、AIの倫理的な問題点、特に著作権やAIによる模倣(ジブリ風AI生成など)への懸念についても言及しています。

note.com

ChatGPTを用いた障害対応シミュレーション

ChatGPTを用いた障害対応訓練シミュレーションの手法を紹介する記事です。本番環境での訓練はコストやリスクが大きいため、ChatGPTを利用することで低コストで手軽に訓練できることを示しており、システム構成などの情報をChatGPTに与えてロールプレイを行うことで、効果的な訓練を実現できる可能性を提示しています。

blog.handlena.me

複雑なフォーム開発における技術選定と設計

複雑なフォームの継続的な開発をテーマに、技術選定、設計、実装について解説しています。React Hook FormやZodといったライブラリの活用と限界、MobXやjotaiなどの状態管理ライブラリによるフォームの状態モデリング、Derived Valueを用いたデータ依存関係の明確化と複雑性低減といった具体的な技術と手法を紹介し、最適な技術選定は問題依存であり、継続的な開発に向けた設計の重要性を強調しています。

speakerdeck.com

Visual Studio Code向けPostgreSQL拡張機能

MicrosoftがVisual Studio Code向けPostgreSQL拡張機能のプレビュー版を公開しました。この拡張機能は、IntelliSenseやGitHub CopilotによるAIアシスト機能、Azure Database for PostgreSQLとの統合、Entra ID認証対応などを含み、データベース管理と開発ワークフローの簡素化を実現します。スキーマの視覚化、クエリ実行、データベースオブジェクト管理といった機能も備えています。

techcommunity.microsoft.com

MozillaのPocketとFakespotサービス終了

Mozillaが、後で読むサービスであるPocketと、AIを用いたサクラレビュー検出サービスFakespotのサービス終了を発表しました。Pocketは2025年7月8日にサービスが終了し、ユーザーデータは10月8日に削除されるため、データのエクスポートが必要です。Fakespotは2025年7月1日にサービス終了となり、ブラウザ拡張機能やアプリも利用できなくなります。Mozillaは、これらのサービス終了の理由として、インターネットの未来を形作る機能へのリソース集中を挙げています。

gigazine.net

Google Geminiの機能強化

GoogleがAIアシスタント「Gemini」の機能強化を発表し、高機能プラン「Google AI Pro」(月額20ドル)と「Google AI Ultra」(月額250ドル)の提供を開始しました。AIとリアルタイムで会話できる「Gemini Live」がiOSにも対応し、画像生成AI「Imagen」がバージョン4、動画生成AI「Veo」がバージョン3にアップグレード、Veoでは高音質サウンド生成が可能になりました。

news.yahoo.co.jp

オリジナルasync/awaitの実装

TSKaigi 2025でsusisu氏が行った「君だけのオリジナル async / await を作ろう」という発表の内容を紹介する記事です。TypeScriptを用いてasync/awaitの仕組みを解説し、ジェネレータとyield/yield*を使った非同期処理の工夫、PromiseとResult型によるエラーハンドリングの改善、そしてAlgebraic EffectsライブラリEffectfulの紹介とその利点について説明しています。

speakerdeck.com

数理最適化と機械学習の融合

久保幹雄氏による解説記事では、機械学習(ML)と数理最適化(MO)の融合を7つのパターンに分類し、MLがMOを補助するケース、MOがMLを補助するケース、さらには基礎理論レベルでの融合など、具体的な例を挙げて解説しています。大規模言語モデル(LLM)を用いたモデリング支援についても触れられており、MOAI Labによるサプライチェーン最適化への応用事例も紹介されています。

speakerdeck.com

AnthropicのMCPサーバーへの接続方法

Anthropic社のMCP(おそらくModel Call Protocol)サーバーに、新たにリリースされたMCP connectorを用いることで、API経由での直接接続が可能になりました。Pythonサンプルコードが提供されており、接続にはmcp_serversbetasauthorization_tokenの設定が必要です。SSE形式とStreamable HTTP形式の両方のMCPサーバーに対応しており、DeepWikiやClaudeflareを用いた具体的な使用例も紹介されています。

zenn.dev

React Server Componentsの解説

React Server Components(RSC)はサーバーサイドでコンポーネントをレンダリングすることで、クライアントとサーバーの通信オーバーヘッドを削減し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる技術です。クライアントサイドコンポーネント(Client Components)とサーバーサイドコンポーネント(Server Components)を混在させることが可能ですが、データの重複による帯域幅増加などのコストも考慮する必要があります。RSCは仮想DOMの計算をサーバーで行い、その結果をFlight形式でクライアントに送信、クライアントはそれを元に仮想DOMを構築します。RSCの採用は、アプリケーションのインタラクティブ性、データ量、複雑さなどを考慮し、バンドルサイズと帯域幅のトレードオフを評価する必要があります。また、Client/Server Componentsのインポートルールなど、いくつかの制約も理解する必要があります。

postd.cc

GoogleのAI映画制作ツールFlow

Googleが、AIによる映画制作ツール「Flow」を発表しました。このツールは、画像生成AI「Imagen」と動画生成AI「Veo 3」を統合しており、テキスト、画像、素材からシーンの生成、カット編集、さらにはシーンの追加生成まで、AIが支援します。現在、アメリカ限定でGoogle AI Pro/Ultra加入者のみ利用可能です

gigazine.net

Geminiを用いたBigQueryテーブルのカラム説明自動補完

LegalOn Technologies Engineering Blogの記事では、Google CloudのBigQueryにおいて、生成AIであるGeminiを用いてテーブルのカラム説明(description)を自動補完するシステムを構築し、Datastreamによる同期でのカラム説明の非反映、既存説明の不備、膨大な説明数といった課題を解決した事例が紹介されています。具体的には、GeminiとVertex AI Searchを活用してスキーマファイル情報を元にカラム説明を生成し、dbtを用いてBigQueryに反映することで、2,000件以上のメタデータ整備を1分以内で行うことに成功しました。これにより、作業時間の短縮と低コストでの高効率なメタデータ管理を実現しています。今後は設計資料やコードなども情報源に加え、精度の更なる向上を目指していくとしています。

tech.legalforce.co.jp

TypeScriptとVercel AI SDKを用いたLLMアプリケーション開発

TypeScriptとVercel AI SDKを用いて、LLMアプリケーション開発を行う方法を解説した記事です。LLMアプリ開発における課題である多様なモデルへの対応、ストリーミング処理、機能の継続的な追従といった問題点と、それらに対するVercel AI SDKの有効性を説明し、サイボウズ社内でのChatGPTクローン開発やChrome拡張機能への組み込み事例を通して、フロントエンドからバックエンド、そしてChrome拡張機能開発までの具体的な実装方法を紹介しています。さらに、Vercel AI SDKの利便性に加え、ローカルLLMとの連携可能性についても触れられています。

www.docswell.com

Firefoxブラウザ拡張開発の魅力

ブラウザ拡張開発者が、FirefoxのManifest V2への完全対応と開発の活発さを高く評価する一方、Chrome、Edge、SafariではManifest V2対応に問題があり開発に支障をきたしていることを指摘しています。Mozillaの非営利団体としての財政不安定さも踏まえ、Firefoxの将来性について期待と不安が入り混じっている現状が報告されています。

anond.hatelabo.jp

LayerX社のクラウドサービス「バクラク」における統制とセキュリティ

LayerX社のクラウドサービス「バクラク」のシステムアーキテクチャ、セキュリティ、コンプライアンス対策について解説しています。具体的には、コンテナ化されたシステムをAmazon ECSとAWS Fargateで運用し、GraphQL Gatewayを中核としたアーキテクチャを採用していること、ISO27001やSOC1 Type2認証を取得し、SSOや自動化された変更管理などの導入により内部統制を強化していること、監査対応を円滑に進めるためのシステムによる自動化やログ管理の効率化、GitHubやTerraformなどのツール活用について説明しています。特に、監査を改善の機会と捉え、クラウドサービスとソフトウェアエンジニアリングの活用により、生産性とコンプライアンスの両立を目指している点が注目されます。請求書データ化、経費精算、勤怠管理などの多様な機能を提供するバクラクの開発、運用、ビジネス部門におけるセキュリティと統制の取り組み事例として参考になります。

speakerdeck.com

Googleの高性能無料音声AI

Googleが、高性能な音声AI「Gemini 2.5 Pro Preview TTS」を無料で公開しました。テキストを入力するだけで、自然で高品質な音声を出力でき、音声のスタイルや話し方も細かくカスタマイズ可能です。API利用は有料ですが、一般ユーザーは無料で利用でき、YouTube動画やPodcast、漫才など幅広い用途で活用できます。

note.com

Claude Codeを用いたミニアプリ開発

AIコーディングツール「Claude Code」と「GitHub Copilot Agent」を用いて、iOSアプリ開発(Bluetooth通信、アプリ管理GUI)を行い、5時間で2つのミニアプリを作成した事例を紹介しています。両ツールを用いた開発結果や機能比較、応答速度、自動化機能、実現できない機能なども詳細に記述されており、Claude Codeの特性や限界を理解する上で有用な情報が提供されています。

zenn.dev

GitHubの機能とサービス

GitHub上で公開されている、帳票用のフォント「FORM-UDPGothic」についての記事です。このフォントはBIZ UDPゴシックとほぼ同一(99.99%同じ)で、GitHubの様々な機能を利用して開発、公開されていることを説明しています。GitHubの機能として、AIによるコード作成支援、脆弱性検出、プロンプト管理、ワークフロー自動化、開発環境、チームでの作業管理、コード検索機能などが挙げられており、企業規模や用途、業界別に最適なソリューションを提供している点も説明されています。さらに、学習コンテンツ、イベント、事例紹介などの豊富なリソースも用意されていると紹介されています。

github.com

Googleのスマートフォン向け高速マルチモーダルAI Gemma 3n

Google、Qualcomm、MediaTek、Samsungが共同開発したスマートフォン向け高速マルチモーダルAI「Gemma 3n」は、低メモリ環境でも高速に動作する点が特徴です。新技術「Per-Layer Embeddings」によりメモリ使用量を大幅削減し、音声、テキスト、画像、動画に対応、多言語にも対応強化されています。ネット接続不要でローカル実行が可能なので、プライバシー保護とオフラインでの利用を実現しています。

pc.watch.impress.co.jp

LLMと感覚性失語症の情報処理における類似性

5月15日、東京大学による研究で、大規模言語モデル(LLM)が人間の脳活動、特に感覚性失語症患者の情報処理過程を予測できることが示されました。研究では、GPT-2やLlama-3.1といった既存のLLMに加え、日本語LLMも用いて、fMRIデータに基づいた脳活動予測の検証が行われ、LLMの高い予測精度が確認されました。この成果は、LLMを用いた脳機能解明や、医療分野への応用可能性を示唆しており、Sakana AIなど、LLMを活用したAI技術開発を進める企業にも大きな影響を与えると考えられます。

www.itmedia.co.jp

Devin Searchのプロンプト生成機能

Devin Searchはコード検索とAIによる実装支援を組み合わせたツールで、検索結果からAI(Devin)への実装依頼プロンプトを自動生成する機能が搭載されています。この機能により、コード変更箇所の特定やプロンプト作成の手間を削減し、AIによるコード実装の精度と効率を向上させることができます。生成されたプロンプトは編集可能で、より正確な指示をAIに与えることが可能です。

zenn.dev

さくらのクラウドにおけるCloudNative

さくらクラウドは、IaaSからフルスペックのクラウドサービスへと進化し、コンテナ実行環境「AppRun」やサーバレスコンピューティングを提供開始しました。デジタル庁のガバメントクラウド技術要件を全て満たす認定を取得し、PaaS/SaaS利用への移行支援を通じて、CloudNativeな環境を提供することで、国産クラウドの強みを活かし顧客のニーズ実現を目指しています。

speakerdeck.com

TypeScriptコンパイラのGo言語実装tsgo

MicrosoftがTypeScriptコンパイラのGo言語実装「tsgo」をプレビュー版として公開しました。@typescript/native-previewパッケージをインストールすることで利用でき、型チェックとコンパイル速度が最大10倍向上を目指しています。ベンチマークテストでは、コンパイル速度が10倍以上、型チェック速度が30倍近く高速化されたと報告されており、TypeScript 7での正式採用が期待されています。

zenn.dev

Anthropic APIの新機能

Anthropic APIに、AIエージェント構築を支援する4つの新機能が追加されました。具体的には、Pythonコード実行ツールによるデータ分析や可視化の容易化、任意のRemote MCPサーバへの接続を簡素化するコネクタの提供、複数会話でのファイル再利用を可能にするファイルAPI、そしてプロンプトキャッシュの有効期間延長によるコストとレイテンシの削減です。これにより、AIエージェント開発の効率性とコスト効率が向上すると期待されます。

note.com

SpringBootにおけるObservability

SpringBootアプリケーションにおけるオブザーバビリティ向上のための解説記事です。Micrometer、OpenTelemetry、Prometheus、StatsD、Datadogといった監視システムとの連携方法、特にMicrometerとOpenTelemetryの役割や統合方法、設定手順を詳細に説明しています。Pull型(Prometheus)とPush型(StatsD、OTLP)の監視方式の違い、Spring Boot Actuatorを用いたメトリクスの公開方法、Datadog連携における複数手法(javaagent、Micrometer、OTLP)とそのメリット・デメリット、トレースIDの伝搬方法、Tomcat MBeanの監視といった実践的なTipsも網羅しています。

speakerdeck.com

GitHub WorkflowとClaude Codeの統合

GitHub WorkflowにClaude Codeを統合することで、AIであるClaudeを用いたGitHub Actionsツールを使って、プルリクエストの作成からレビューまでを自動化できます。Issueへのコメントで実装計画の作成、コードの生成、そしてプルリクエストの作成を指示することができ、開発効率の大幅な向上が期待できます。導入はコマンド一つで完了するほど簡単で、GitHub上で完結するため、チーム開発におけるコミュニケーションもスムーズになります。複雑な処理は依然として人間の確認が必要ですが、日常的なレビュー作業の効率化に大きく貢献するでしょう。

zenn.dev