Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/11/03 #362 - 今日の技術情報ダイジェスト

デジタル主権への道:ドイツのMicrosoft Office脱却とオープンソースへの移行

ドイツがMicrosoft Officeからの脱却を図り、LibreOfficeを基盤としたオープンソースの「openDesk」を採用したことは、デジタル主権の確保とGDPR遵守という観点から注目に値します。この動きは、Microsoft製品への依存から脱却し、欧州におけるデータ保護を強化するモデルケースとなり得ますが、日本はMicrosoft依存による「文書ガラパゴス化」のリスクに直面しています。

finalvent.cocolog-nifty.com

AIブームの行方:期待外れに終わるリスクとアメリカ経済への影響

ノア・スミス氏の「AI がちょっぴり期待外れになるどうかにアメリカの未来はかかってるのかも」と題された2025年10月12日付の記事は、AIブームに支えられているアメリカ経済の現状と、そのAIバブル崩壊がもたらしうるリスクについて解説しています。記事によれば、トランプ関税や消費者心理の低下といった逆風にもかかわらず、アメリカ経済はAIブームによってかろうじて持ちこたえている状況ですが、AIブームが終焉した場合、経済の失速とトランプ政権の評価低下は避けられないとしています。AIバブル崩壊の主な原因は、テクノロジー自体の問題ではなく、資金調達のペースが価値創造のペースを上回っている点にあり、AI企業は顧客の活用能力や市場競争の激しさから、期待通りの利益を上げられないリスクを抱えています。AI産業の推進者たちがこれらの困難を過小評価している可能性を指摘し、経済への影響は予想以上に大きいかもしれないと警鐘を鳴らしています。

note.com

自己資本で年商950億円へ:クラスメソッド創業21年の軌跡と学び

就職せずに自己資本でクラスメソッドを起業し、21年をかけて年商950億円を達成した軌跡が語られています。創業当初は資金繰りに苦労しながらも堅実に経営を続け、「しくじり」から学び、企業理念やカルチャーの明文化、情報発信を重視しました。クラウド技術への早期集中投資と、社員を大切にする経営によって成長を遂げ、顧客に価値を提供し続けるために常に変化と挑戦を続けている企業です。

speakerdeck.com

生成AIはe-govを読めるか?Javascript対応で差をつけたGoogle Gemini

多くの生成AIは、e-govの法令検索サイトでJavascriptが実行できないため、法令条文を正しく取得できず、ハルシネーションのリスクがありましたが、GoogleのGeminiはJavascript実行能力を活かし、e-govの法令情報も取得できることが確認されました

note.com

片手で収まる感動!小型スマホMode1 Pocketが現代に蘇る

2025年11月11日に発売される「Mode1 Pocket」は、幅約63.4mm、5.3インチ画面という、片手で快適に操作できることを重視した小型Androidスマートフォンです。昔ながらの「本物のミニスマホ」と呼べるサイズ感ながら、イヤホンジャック搭載など、ユーザーのニーズに寄り添った仕様となっています。SoCは控えめな性能ですが、IP65防水、Qiワイヤレス充電、Android 15対応といった実用的な機能を備えています。5G非対応などの割り切りはあるものの、コンパクトさを最優先するユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

smhn.info

AI開発を加速するCursorのMultiple Models機能とは?

AI開発ツールのCursorが「Multiple Models」機能を導入し、1つのプロンプトで最大4つのAIモデルを同時に実行できるようになりました。これにより、複数のAIの回答を比較検討し、最適なコードを生成することが可能となり、デバッグやデザイン案作成などの作業効率が大幅に向上します。IDE上でシームレスにAIと連携できる点が、エンジニアにとって魅力的な新機能です。

zenn.dev

3COINSのスマホ連携ラベルプリンターで整理整頓を楽しく効率化

3COINSから、スマホでオリジナルラベルが作れる「ラベルプリンター」が3850円で発売されました。専用アプリ「MarkLife」とBluetoothで接続し、お名前シールや収納ラベルなどを簡単に作成でき、USB Type-Cで充電可能です。専用ラベルロールは各色550円(2個入り)です。

k-tai.watch.impress.co.jp

誰でもAIを学べる!Google Skillsが提供する3000講座の魅力

Anthropicは生成AI「Claude」をExcelに統合し、分析・説明・編集を自動化する新機能を追加、ChatGPTは成人ユーザーの利用範囲を拡大しエロティックなコンテンツへの注目も集め、高市首相の偽広告が拡散され自民党はAI生成映像への注意を呼びかけ、Googleは量子チップ「Willow」でスーパーコンピューターの13,000倍の性能を実証、Adobeは企業専用の生成AI基盤「Adobe AI Foundry」を発表しブランド独自モデルの構築を可能にします。

ledge.ai

Unix系OSの基本:カレントディレクトリの物理的・論理的構造を理解する

カレントディレクトリは、カーネル管理の「物理的なcwd」とユーザー管理の「論理的なcwd」の2つで構成され、ファイル特定にはポインタやパスが用いられ、Unix系OSでは両者の利点を活かすためにこれらを組み合わせて管理しており、シェル以外は主に「物理的なcwd」を基準に動作しますが、シェルは「論理的なcwd」を基準にcdコマンドなどを実行しつつ、他の操作は「物理的なcwd」も考慮したハイブリッドな動作となります。

zenn.dev

GoogleのAI戦略:Geminiシリーズの進化と多角的な展開

GoogleはAI開発に注力しており、「Gemini」シリーズの強化として、年内リリース予定の「Gemini 3」や、TBSドラマ「VIVANT」で映像制作に活用された「Veo 3」の改良版「Veo 3.1」をリリースし、より自然な映像生成を目指しています。また、企業向けの「Gemini Enterprise」と「Gemini Business」、PC操作を支援するPC向けAI「Gemini 2.5 Computer Use」も発表されました。

www.itmedia.co.jp

設計を可視化する:エンジニアが始めるアーキテクチャドキュメント作成術

GKEからCloud Runへの移行検証で設計の属人化に直面した経験から、システムの振る舞いだけでなく「システムがどのように振る舞うか(アーキテクチャ特性)」も重要であるという点が浮き彫りになり、設計に疎いエンジニアでも始めやすいアーキテクチャドキュメントの活用が紹介されています。具体的には、システムコンテキスト図、コンテナ図、デプロイメント図などを活用し、ドキュメント作成を通じて共通認識を構築することで、アーキテクチャ変更にも柔軟に対応できる方法が解説されています。

speakerdeck.com

AI開発者を狙う新手のサイバー攻撃『PhantomRaven』とその対策

「PhantomRaven」と呼ばれる新たなサイバー攻撃手法が判明しました。これは、開発者がAIの生成したコードをそのままコピー&ペーストする行為を悪用し、悪意のあるnpmパッケージを巧妙に依存関係に紛れ込ませて、メールアドレスやGitHub認証情報、システム情報などの機密情報を窃取するものです。攻撃者は、AIが誤って生成しそうな実在パッケージに酷似した名前のパッケージを利用して、開発者の注意を掻い潜ります。

gigazine.net

Google NotebookLMがスプレッドシート対応を無料開放!AIデータ分析が身近に

Google のAIツールNotebookLMにおいて、これまで有料ユーザー限定であったスプレッドシート機能が無料ユーザーにも解放され、スプレッドシートデータのAI分析・要約が可能になります。この機能拡張により、NotebookLMはデータ分析プラットフォームとしても進化し、数週間以内に提供開始される見込みです。

helentech.jp

VPN機器を狙うORB化攻撃の脅威とIPAが推奨する対策

VPN機器等がサイバー攻撃により乗っ取られ、「ORB(Operational Relay Box)」として他組織への攻撃に悪用される危険性があり、情報窃取や自組織が攻撃に加担するリスク、長期間潜伏されるリスクが指摘されています。対策としては、機器の更新、不要な公開設定の停止、監視強化、多層防御が重要であり、IPAは不審な兆候があれば「サイバー状況把握」への協力を求めています。

www.ipa.go.jp

AI利用の落とし穴:安易なアップロードが招く情報漏洩リスク

隣の部署から、文書作成の効率化を期待して機密文書をAIにアップロードしようとする声が聞こえてきましたが、これは情報漏洩のリスクが非常に高く、AIリテラシーの欠如が懸念される事案です。個人情報や機密情報を含む文書を安易にAIに渡すことは避け、安全なAI利用のためには、企業におけるリテラシー教育の重要性が指摘されており、代替案として外部に公開されないローカルAIの利用などが示唆されています。

togetter.com

DeepSeek-OCRの実力検証:文脈理解とvLLM版による精度向上

DeepSeek-OCRは、画像内の文章を単に認識するだけでなく、その文脈を理解する高度な能力を持つとされていますが、長い文章の認識精度は期待できるものの、短い文章や画像部分の認識には課題があり、一部は「ゴミ」と評されています。しかし、vLLM版を利用することで、PDFなどの長い文書からほぼ完璧なMarkdown形式のテキストが生成されるなど、精度が大幅に向上しました。DeepSeek-OCRは、特にvLLM版での利用が推奨されますが、設定や使い方が煩雑であるという側面もあります。

note.com

音楽業界とAIの共存:UMGとUdioが提携するライセンス済みAI音楽プラットフォーム

ユニバーサルミュージックグループ(UMG)とAI音楽作成プラットフォームUdioが、AI音楽開発で提携し、著作権侵害訴訟を和解することでUMG所属アーティストや作曲家への収益機会を確保、2026年ローンチ予定の新サービスでは許諾された音楽でAIを学習させ、安全で合法的な音楽作成、ストリーミング、共有環境を提供し、AIと音楽業界の健全な共存を目指します。

www.universalmusic.com

Gmailでメールを賢く整理!サブアドレス活用術

Gmailでは「@」の前に「+(任意の文字列)」を追加することで、簡単にサブアドレス(エイリアス)を作成でき、用途別にメールアドレスを使い分けることで重要メールの見落としを防ぐことが可能です。エイリアス宛に届いたメールにラベルを付けて自動で振り分けることで、メール整理の効率化も図れます。エイリアスを使ってメールを送信するには、Gmailの設定でエイリアスを追加する作業が必要となります。

gigazine.net

AWS大規模障害の教訓とPagerDutyに見るインシデント管理の重要性

2025年10月20日に発生したAWS US-EAST-1リージョンでの大規模障害は、インターネット全体に波及し、多くのSaaSやクラウドサービスに影響を与えた出来事であり、クラウドシステムも障害から完全に守られているわけではないことを示しました。この状況下で、PagerDutyは自社のインシデント通知機能が正常に機能し、迅速な対応で影響を最小限に抑えた事例として、障害発生時の迅速な対応とシステム設計における依存関係の考慮の重要性、そして将来への備えとして地域依存の削減やオブザーバビリティの強化への取り組みが紹介されています。

www.pagerduty.co.jp

Go言語を深く学ぶ:実践的な『初めてのGo言語 第2版』の魅力

「初めてのGo言語 第2版」は、Go言語の最新情報にアップデートされた実践ガイドであり、他言語経験者向けですが、直接的な比較よりも網羅的な解説が中心です。章ごとに独立して読めるため、必要に応じて参照するのに適しており、「初めて」と銘打たれていますがページ数は多めなので、コードを書きながら参照するのがおすすめです。コマンドラインツールの作成にも役立ち、イディオマティックなGoの書き方を学べます。

blog.magnolia.tech

AI Agentの真価を測る:LayerXが構築したバックテスト基盤の全貌

AI Agentのビジネス価値を測定するためのバックテスト基盤構築において、既存APIに依存する困難さを克服するために社内OSS「Firn」を活用し、LLMによってAPI変更なしでの過去データアクセスを実現した事例を紹介します。また、SQLベースのテストを簡略化し、GORM v1からv2への安全な移行を支援する「gormgolden」についても触れ、AI Agent開発においては専用ツールや過去データアクセス設計の重要性を強調しています。

tech.layerx.co.jp

Blueskyが4000万人突破!コミュニティ強化と新機能『低評価』で進化

SNS「Bluesky」のユーザー数が4000万人を突破し、さらに「低評価」機能のベータ版テストが開始されました。また、ユーザー同士の繋がりを促進するため、コミュニティに合わせた情報表示システムの開発や、有害な投稿・スパム検出の新モデル導入、返信機能の改善による建設的なコミュニケーションの推進といった取り組みも進められています。

gigazine.net

Reactの自己補正コンポーネント:パフォーマンスと設計思想に沿った状態更新

Reactでの高品質なプロダクト開発においては、Reactの思想に沿ったコーディングが不可欠であり、「propsが変更された際にstateを調整する」という、レンダリング中にstateを更新するテクニックは、useEffectよりもパフォーマンスに優れ、Reactの設計思想に合致した自己補正という概念で捉えることができます。このテクニックにより、コンポーネントは自身の不整合な状態を検知し、自動的に修正することが可能になりますが、更新できるのは自身のstateのみであり、必ず返り値を返すことが条件となります。

zenn.dev

ソフトウェア開発の真の進歩とは?新技術より明瞭さとシンプルさを追求する

ソフトウェア開発における「進歩」と称されるものの多くは、単なる新技術の導入に過ぎず、熟練したエンジニアは新しさよりも「明瞭さ」を重視して複雑さを管理します。経験を積むにつれて、プロセスやツールよりも「人」との関わりが重要だと理解し、過剰な設計を避け、シンプルで安定した「地道なこと」が重要になるという認識に至ります。真の進歩は、速度ではなく「正しい方向」への進み方にあるのです。

yusufaytas.com

Claude Codeを使いこなす:AIコーディング支援ツールの実践的活用術

Claude Codeの活用法を、CLAUDE.mdを「憲法」とし、コンテキスト管理では手動クリアや「ドキュメント&クリア」法を推奨、カスタムコマンドは単純なショートカットとして利用、サブエージェントはマスター・クローン方式で依存関係を回避、Hooksはコミット完了時の状態検証に有効、Planning ModeはAIとの認識合わせが重要、SkillsはMCPより柔軟なCLI・スクリプトアクセス、SDK・GHAはコード生成のみならず内部ツール開発やラピッドプロトタイピングにも応用可能であると、筆者の経験に基づいて詳細に解説しています。

blog.sshh.io

LLMのコストと速度を改善:fast-bunkaiによる効率的な文単位抽出

LLMによる文単位抽出の課題である時間とコストの課題を、fast-bunkaiの活用により解決する手法を紹介します。fast-bunkaiは、テキストを文ごとに分割しIDを付与することで、LLMにIDと文のペアを渡し、必要な文のID範囲のみを出力させることを可能にします。これにより、LLMの出力トークン量が削減され、処理時間の大幅な短縮とAPI利用料金の削減が実現されます。fast-bunkaiは顔文字や絵文字も考慮した高精度な文分割が可能で、Anthropicの引用機能のような、LLMが回答の根拠となる部分を特定する機能への応用も期待されます。

zenn.dev

Soraのキャラクターカメオ機能で、時空を超えた対話を実現

Soraアプリが、生成動画から実在人物に似たキャラクターを「カメオ」として登録できる機能を追加しました。実写の人間そのものの登録はできませんが、イラストや水彩画、油絵などのスタイルで生成した動画からであれば登録可能です。この機能により、プロンプトで本人に近づけるよりも、本人らしさがより忠実に再現される場合があります。登録されたキャラクターカメオは、時空を超えた対話など、多様な用途での活用が期待されています。さらに、動画追加生成のためのアプリ内課金も可能になりました。

www.techno-edge.net