Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/10/11 #339 - 今日の技術情報ダイジェスト

デジタル庁が公開した「法務AIデータセット」:法務業務のAI活用を加速する

デジタル庁が「法務でAIがどこまで使えるか」を測るデータセットを公開しました。一方、OpenAIは、ユーザー指示IPを基にリアルな動画を生成する「Sora 2」を発表し、高品質なAI画像生成に取り組む「ISMAP」も開発。AI技術の進化は映像制作の可能性を広げています。

www.itmedia.co.jp

AIの回答を疑う力:/criticalthink コマンドでAIの自己批判的思考を促す

LLM(大規模言語モデル)の回答精度を向上させるため、AI自身に回答を批判的に検証させる手法が紹介されています。研究「Critical-Questions-of-Thought (CQoT)」では、LLMに8つの質問で自己評価させ、基準を満たすまで推論プロセスを見直させますが、これをコーディングエージェントに応用した「/criticalthink」スラッシュコマンドが開発されました。このコマンドは、AI生成回答の隠れた前提、リスク、陥りやすい間違いをユーザーに提示し、CQoTが論理的誤りを防ぐのに対し、/criticalthink正解のない分野でトレードオフやリスクを洗い出し、人間の最終判断を補助することを目的としています。

aba.hatenablog.com

AIエージェント「Devin」がDMMの大規模リファクタリングを加速させた話

DMMでは、コードの複雑化による保守性低下の課題に対し、AIエージェント「Devin」を用いた大規模リファクタリングを実施しました。DDD(ドメイン駆動設計)の原則に基づき、Infra層をテーブルごとに分割し責務を明確化することで、本来数人月かかる作業を大幅に短縮、工数を半減以下に抑えました。外部仕様を変えずに内部のみを整理する方針で、新旧実装を並行運用し段階的な安全移行を実現し、AI活用によりプルリク作成数増加などチーム全体の生産性向上と開発サイクルの定着に貢献しました。

developersblog.dmm.com

技術的負債をAIで防ぐ!Claude Code, Codex, Cursor対応の「良いコード」ルール設定ガイド

AIに「良いコード」を書かせるための「共通ルールファイル」の作り方を解説します。これにより、AIに「良いコード」の基準を教え、一度設定すれば全てのプロジェクトで自動的に適用され、コードの品質をAIが常に意識するようになります。Claude Code, Codex, Cursorでの設定方法も紹介しており、初心者でも保守性やセキュリティの高いコードをAIと共に作成できます。

zenn.dev

Windows 11をMicrosoftアカウントなしで!ローカルアカウントセットアップ徹底解説【25H2以降対応】

Windows 11 25H2以降において、Microsoftアカウントを必須とせずにローカルアカウントでセットアップする複数の手法が解説されています。具体的には、コマンド「start ms-cxh:localonly」によるバイパス(将来的な利用可否は未定)、インターネット接続を一時的に無効化しレジストリエディターで「BypassNRO」を設定する手法、コマンドプロンプトで「net」コマンドを用いる手法、そしてWindows 11 Pro限定で「職場または学校用に設定する」からドメイン参加を選択する正規の手法が紹介されています。

www.nichepcgamer.com

テスラ車の「死のトラップ」か?相次ぐ事故と安全性問題、遺族が提訴

テスラ車で相次ぐ事故、「死のトラップ」との指摘もあり、遺族が「事故で車のドアが開かずに焼死」と主張し提訴しました。NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)は、自動運転機能への過信や誤った使用の可能性を指摘し調査を進めており、テスラは真摯に受け止め改善に努めるとしています。

www.itmedia.co.jp

もう挫折しない!「第三の脳」Obsidianをゼロからはじめる完全ガイド

Obsidianの挫折しない始め方として、まずObsidianを「第三の脳」ではなく、AI連携が強みのメモアプリと捉えることから始めること、そして「みんな使っているから」ではなく「具体的な課題解決」のために使うことが重要だと解説しています。Must(必須)の課題解決に集中し、Want(憧れ)は後回しにし、「いつ、どこで、どのように」情報を蓄積するか理想のフローを考え、テンプレートやプラグインを活用して自分に合った使い方を構築していく方法を紹介しています。

note.com

AIコーディングツール「Codex」の進化と、私たちエンジニアの新しい向き合い方

AIコーディングツールCodexは、従来の「コンテキスト詰め込み型」から、AIがコードから直接文脈を読み取る「アンチプロンプティング」へと進化し、プロンプトを最小限に抑え効率を向上させています。Codexは実装前後の確認やコードレビューでの論理的な反論といった丁寧なプロセスが特徴ですが、履歴が長くなると性能が低下するため、定期的な圧縮や新規セッションの活用が重要です。必要に応じてClaudeCodeなどの他のツールと併用することで、AIコーディングツールの弱点を補い、最大限に活用できます。

zenn.dev

物理破壊PCから個人情報漏洩?ぼんち揚製造会社の謝罪から学ぶセキュリティ対策

PCの物理破壊を外部委託した「ぼんち揚」製造会社において、PCのネット接続が検知され個人情報漏洩の可能性 が指摘されています。この事案は、2023年にPCからの個人情報流出が過去最多となり、Web接続PCの約1割が情報流出の対象となるという現状を踏まえると、PCが単に「普通に使える」という認識では個人情報漏洩のリスク に晒されていることを示唆しており、利用者はセキュリティ対策の重要性を再認識する必要があります。

www.itmedia.co.jp

Web開発が40倍高速化?Rust製「Vite+」でビルド・テスト・コードチェックを統合

Vite+は、Web開発におけるビルド、テスト、コード整形などを統合したツールで、既存のViteに機能を追加し、開発チームのツール設定の手間を削減します。Rust製コンポーネントにより、webpackより40倍速いビルド と ESLint より100倍速いコードチェックを実現し、コード品質の維持、開発効率の向上、サプライチェーンのセキュリティ強化を支援します。CLIだけでなく、GUIツールやライブラリ bundling 機能も提供しています。

viteplus.dev

Claude Codeを自分好みに!プラグイン機能で開発ワークフローを劇的に改善

Claude Codeにプラグイン機能が追加され、スラッシュコマンド、サブエージェント、MCPサーバー、フックなどをまとめて開発者がClaude Codeをより高度にカスタマイズし、共有しやすくなりました。これにより、特定の開発タスクの効率化やチーム内での標準化に役立ち、誰でもプラグインを作成・共有して「プラグインマーケットプレイス」で公開・利用可能になりました。

www.anthropic.com

Intel、次世代2nmプロセス「18A」を米国で量産開始!半導体技術の最前線

Intelが最新の製造技術「Intel 18A」の量産を米国で開始しました。これは2nmクラスの技術で、他社に先駆けて米国で量産を開始した点が特徴です。「Ribbon FET」と「PowerVia」という2つの新技術が導入されており、特に「PowerVia」は裏面から電力を供給する技術としてIntelが先行しています。この技術は、次世代CPU「Panther Lake」などに採用される予定です。

pc.watch.impress.co.jp

吉野家全客席にAnker充電ケーブル常設!外出先でのスマホ充電が劇的に便利に

吉野家が関東220店舗の全客席にAnkerの充電ケーブルを常設する取り組みを開始しました。これは、Ankerが発表した、USB-Cポートと大容量バッテリーを内蔵した「Anker PowerBag 2025」や、後継機が2024年9月に登場予定の「Anker PowerCore 20000」、そして「Anker Store & Cafe」のオープン、高速充電対応のUSB-C充電器「W24」といった、Ankerの充電関連製品の展開と連動した動きと見られます。また、DJIからも「DJI Power 1000」と「DJI Power 2000」というポータブル電源が発表されており、ポータブル電源市場の動向も注目されます。

www.itmedia.co.jp

要注意!低価格バッテリーに潜む発火リスクと容量偽装の実態

検査会社Lumafieldによる円筒形リチウムイオンバッテリー1054個のCTスキャン分析で、発火リスクを高める製造欠陥が33個発見されましたが、これらは低価格・偽造品ブランドのバッテリーからのみ見つかり、大手メーカー純正品やOEM品、Samsung、Panasonic、Murataなどの信頼できるメーカー製バッテリーからは問題は確認されませんでした。

internet.watch.impress.co.jp

人型ロボット「Figure 03」が家事をこなす!AI「Helix」搭載の進化系デモ動画

ロボット開発企業Figureが、家庭での家事利用を想定した第3世代人型ロボット「Figure 03」を発表。AI「Helix」を搭載し、人から直接学習して人間のように様々なタスクを実行可能。視覚システムや指先のセンサーが進化し、複雑な作業も繊細かつ正確に実行。ワイヤレスで自律動作し、充電もワイヤレス誘導充電に対応。年間1万2000台の生産を目指し、将来的には10万台の製造を計画。

gigazine.net

NTT西日本、最大227万契約の通信障害の真因はVLAN設定ミスと申込書送付漏れ

NTT西日本で発生した最大227万契約に及んだ大規模通信障害は、セキュリティサーバー更改作業におけるVLAN設定ミスが原因であり、これが「ブロードキャストストーム」を引き起こしルーターに高負荷をかけたことで発生しました。障害は1時間弱で復旧しましたが、計画・設計班内のコミュニケーションエラーが根本要因として指摘されています。

xtech.nikkei.com

MacでKindle蔵書を管理!非公式ツール「kindle-tilte-exporter」が便利すぎた

Kindle for Macの蔵書情報をCSVやJSON形式で出力できる、Mac専用の非公式ツール「kindle-tilte-exporter」が開発されました。このツールは、Kindleアプリのローカルデータから書籍のメタデータのみを取得し、複雑な購入状況の把握やシリーズごとの購入漏れの確認を容易にします。Googleスプレッドシートなどにインポートして、自由に並べ替えや絞り込みが可能で、インストール不要で利用できます。

dominion525.hatenablog.jp

マイクロサービス開発の課題をAIエージェント「Devin」で解決!ANDPADの事例

ANDPAD Tech Blogで紹介された「Devinを3ヶ月使って、マイクロサービスの開発チームが抱えていた課題を解決した話」では、歴史ある5つのリポジトリ運用におけるバグ修正やライブラリ更新の多大な時間と労力を、Devinの導入によって大幅に改善した事例が詳細に語られています。Devinを活用することで、知識の少ないリポジトリへの改修ハードルが低下し、ペアプログラミングのような感覚で作業が進められるようになったこと、スクリーンショットでのコンポーネント特定や軽微なエラーPR作成が可能になったこと、そして「Playbook」機能によるパッケージアップデートの破壊的変更チェック自動化で調査時間を短縮できたことが具体的に示されています。Devinとの付き合い方としては、任せきりにせずチームで「育てる」意識の重要性や、貢献度をPR数だけでなくプロセス全体で測ることの意義も述べられています。

tech.andpad.co.jp

生成AIでコード移行は「サクッと」いかない?CoffeeScriptからTypeScriptへの置き換え奮闘記

エムスリーテックブログの記事「生成AIでサクッと!」というわけには行かなかったCoffeeScript → TypeScriptへの置き換えでは、長年使用してきた社内ツールのフロントエンドを、古い「CoffeeScript + Backbone.js」から最新の「TypeScript + React」へ刷新する過程が紹介されています。更新が止まったCoffeeScriptや、役目を終えたBackbone.jsからの脱却を決断し、段階的に、CoffeeScriptをJavaScriptへ、その後Reactへ置き換え、最終的にTypeScriptへ移行した経緯が語られています。AI(生成AI)も活用しましたが、複雑なコードの解読や修正には人間の力も必要だったこと、そして読みやすいコードはAIにとっても効率的であり、今後の開発の重要性を再認識したことが述べられています。

www.m3tech.blog

新任エンジニアリングマネージャー奮闘記:チームの成長と文化を創る日々

最近エンジニアリングマネージャーになった筆者が、自身の役割やチーム運営について詳細に解説する記事です。エンジニアリングマネージャーの日常はミーティングで占められる一方、メンバーの成長を最優先に育成や目標達成を支援することに注力しています。チームの目指すべき姿を明確にするため、ミッションやスローガンを設定し、メンバーが「安全に失敗できる」文化を醸成することで、失敗から学びを得られる機会を提供しています。さらに、人間関係もシステムと捉え、会議の進行などを調整することで、メンバーの成長が自然と促進される仕組みづくりを目指している点が特筆されます。

blog.sushi.money

PS6でゲームグラフィックス革命か?AMD共同開発「Project Amethyst」で次世代グラフィックスへ

ソニーとAMDは、次世代PlayStation向けに「Project Amethyst」と名付けられた新技術を発表しました。このプロジェクトは、「ラディアンスコア」という新ハードウェアにより、従来コンソールでは難しかった描画負荷の高いレイトレーシングを実用化し、さらにAIアップスケーリング技術「ニューラルアレイ」で映像の速度と精度を大幅に向上させます。加えて、「ユニバーサル圧縮」技術がデータ転送量を削減し、消費電力の削減と高画質化に貢献することで、ゲーマーに最高のゲーム体験を提供することを目指しています。

pc.watch.impress.co.jp

Microsoft Wordが「勝手に再起動」する不具合、その原因と最新チャネルでの修正情報

Microsoft 365のWordにおいて、ファイルを閉じた後もWordが勝手に起動してしまうという不具合が発生しており、これはWordの終了処理中に異常終了(クラッシュ)を検知した際に、再起動を試みる挙動に起因します。この問題は、最新バージョン(バージョン2509)にて修正済みであり、一般ユーザーはWordを最新の状態にアップデートすることで解決できます。法人環境においては、現在対応が検討されています。

forest.watch.impress.co.jp

Google Cloudが発表した「Gemini Enterprise」:企業のAI活用を加速する新プラットフォーム

Google Cloudが職場でAIを活用するための新製品「Gemini Enterprise」を発表しました。このプラットフォームは、テキスト、画像、動画などを理解・生成できるAI「Gemini」の機能を、直感的なチャットインターフェースで提供し、企業データと連携してワークフローの自動化や業務効率化を支援します。Google CloudはAIの未来はオープンであるべきとし、パートナーエコシステムを重視しています。

cloud.google.com

「AIのもっともらしい回答」と戦うプログラマーの疲弊:知恵が問われる時代へ

AIの進化により、専門家でなくても専門家のような議論ができるようになった一方で、AIが生成する提案は現実的なコストやトレードオフを考慮していないことが多く、専門家の役割はコードを書くことよりも、AIの提案がなぜ現実的でないかを説明することへ変化しつつあり、AIは自信に満ちた口調で「権威バイアス」を利用して人を説得してしまうため、これからの時代、知識や権威ではなく、「疑いと判断力」といった「知恵」が最も重要になるという、AIというゴーストライターを味方につけた相手の「もっともらしい回答」に、「現実的ではない」と反論するため疲弊しているという状況を解説する記事です。

togetter.com

BOOTHがスクレイピングガイドライン見直し!クリエイター支援と悪用防止のバランス

BOOTHは、プログラムによる情報取得(スクレイピング)に関するガイドラインを見直し、悪用目的でなくコミュニティを豊かにする範囲での常識的なスクレイピングは容認されることになりました。ただし、他者に被害を与える悪質な行為は引き続き禁止され、サービスの安定運用のため利用規約の遵守が求められます。

booth.pm

プログラミング能力は3割?AI時代にエンジニアが本当に磨くべき「それ以外の能力」

ソフトウェアエンジニアとして真に活躍するためには、プログラミング能力だけでは不十分であり、顧客の課題を深く理解する力、システム全体の設計能力、適切な技術選定、そして継続的な改善サイクルを回す能力など、多様なスキルが不可欠です。実際、開発プロセス全体におけるプログラミングに費やされる時間は全体の3割程度とも言われており、要件定義、設計、テスト、ミーティングといったプログラミング以外の業務も数多く存在します。そのため、円滑なコミュニケーション能力やプロジェクトを推進するマネジメント能力も、エンジニアが成果を上げる上で極めて重要な要素となります。

posfie.com

Google「Gemini Enterprise」が業務アプリ連携で企業AI活用の新時代を拓く

Googleが発表した「Gemini Enterprise」は、Google Workspaceだけでなく、Office、Salesforce、SAP、Jiraといった多様な業務アプリとの連携を実現し、企業独自のデータに基づいた包括的なAI機能を提供するサービスです。このサービスは、文書、メール、チャットなどの情報を基に、会議議事録から予算案を作成したり、顧客対応に合わせた提案書を生成したりすることを可能にします。さらに、企画・営業部門の支援にとどまらず、開発部門のコーディング支援やAIエージェント開発プラットフォームとしても機能します。企業は、用途や規模に応じて複数のプランを選択でき、Google Workspaceとの連携によりマルチモーダルAIの恩恵を受けることができます。

www.publickey1.jp

Amazon QuickSightが「Quick Suite」へ大幅進化!AI機能でBIがもっと身近に

Amazon QuickSight が「Amazon Quick Suite」へとリブランディングされ、AI 機能が追加された本件は、AI搭載の統合ワークスペースとしての進化を示しています。既存の QuickSight 機能に加え、AI エージェントによる自動化やリサーチ機能が利用可能になりました。ただし、一部 AI 機能は現時点で東京リージョンで利用できない点に留意が必要です。料金体系はユーザー単位のサブスクリプションが基本ですが、BI 機能のみの利用であれば従来の QuickSight と同等の料金プランも提供されています。既存の QuickSight アセットは引き続き利用可能です。

dev.classmethod.jp

プログラマーの幸せを追求するRuby on Railsの思想「The Rails Doctrine」

Ruby on Railsの成功の秘訣は、プログラマーの幸せを最優先にし、設定より規約、メニューはおまかせ、唯一のパラダイムはなし、美しいコードを称賛、鋭利なナイフの提供、統合システムを重視、安定性より進歩、そして大きな傘を広げるという9つのドクトリン(信条)にあります。

rubyonrails.org

ShopifyはRubyの敵ではない?オープンソース貢献を巡るコミュニティとの対話

ShopifyはRubyとコミュニティへの貢献に多額の投資をしており、退職した筆者の個人的な感情は、Shopifyのオープンソースへの貢献とは無関係です。ShopifyのRuby & Rails Infrastructureチームはコミュニティに深くコミットしており、Rubyエコシステムの持続可能性にとって極めて重要な存在です。オープンソースの持続可能性は金銭だけでなく、企業からの貢献によっても支えられるべきであり、Shopifyのような企業の貢献は、より多くの企業が責任を担うべきという考え方につながります。

byroot.github.io