Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/06/16 #222 - 今日の技術情報ダイジェスト

LLMのセキュリティとプロンプトインジェクション攻撃に関する考察

ある大手企業と研究機関が作成したホワイトペーパーに、LLM(大規模言語モデル)を用いたプロンプトインジェクション攻撃が仕掛けられていたことが判明しました。攻撃者は、ホワイトペーパーの内容を肯定的に評価させ、批判をさせないようにする悪意のある指示文を、人間には目視で確認できない形で埋め込んでいました。この事件は、LLMが持つ脆弱性と、その悪用されるリスクを改めて示す深刻な事例です。

togetter.com

Excel関数とPowerShell連携による効率的なデータ処理

日本のPCユーザーはExcel関数を多用するためプログラミングでの計算が不便な点を解決するため、PowerShellなどのプログラミング言語からExcelのワークシート関数をCOMオブジェクト経由で直接呼び出す方法を紹介しています。ワークシートを読み込まず関数だけを呼び出すことでメモリ消費を抑え、数値、文字列、配列など様々なデータ型を関数引数に直接渡せます。Excelにない標準関数はPowerShellのMathクラスなどの関数を利用します。

ascii.jp

LLMを活用した効率的な学習方法とエンジニアの成長戦略

LLMが日常業務に浸透し生産性向上に貢献する一方で、単なる道具の使い方だけでなく、ソフトウェアエンジニアとしての真の成長、すなわち「知らないことを知っていることに」「できないことをできることに」変える過程、そして知識を「自分の一部」にする重要性を説いています。LLMは能力を「拡張」するツールですが、自身の内在的能力向上による「強化」も必要であり、両者のバランスが重要だと主張。LLMを活用した効率的な学習法として、ロードマップ作成、実装、ブログへのまとめを提案し、実践と内省、そして「なぜ?」を追求することでLLMを強化ツールとして活用し、自身の成長を促す方法を解説しています。

zenn.dev

メタによるスケールAIへの巨額出資と超知能開発への取り組み

米メタがAI新興企業スケールAIに約2兆円(143億ドル)の出資を行い、49%の株式を取得したと報道されています。 28歳のCEOアレクサンダー・ワン氏が率いるスケールAIは「超知能」開発を目指しており、今回の巨額投資はAI開発におけるメタの強い意志を示すものとして注目されています。

www.nikkei.com

Google Cloud Platformの大規模サービス障害とその原因分析

Google Cloud Platform(GCP)の複数のサービスで、2025年6月12日10時51分~18時18分(US/Pacific時間)に大規模なサービス障害が発生しました。API Gateway、Cloud Firestore、BigQueryなど多数のサービスが影響を受け、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界中の多くの地域でサービスが利用できなくなりました。現在は障害は解消されていますが、詳細についてはGoogle Cloud Service Healthのページを参照ください。

status.cloud.google.com

Git入門者向けチュートリアル:CursorエディタとClaude Codeを用いたローカルGit操作

CursorエディタとClaude Codeを用いて、GitHubアカウント不要でローカル環境のみでGitの基本操作を学ぶことができます。Gitの初期化、ファイルの追加、コミット、履歴確認、巻き戻しといった基本操作に加え、git revertgit resetの使い分けを図解で分かりやすく解説しており、特に初心者にとってGitの敷居を下げるのに役立つ記事です。

note.com

LLMを用いたコード知識管理システムの構築と効率的な開発手法

LLMを活用したコード知識管理システム構築法を解説し、既存記事の知見をワンライナーコマンドで自身のプロジェクトに適用する方法を紹介しています。これにより、技術スタック、デバッグ記録、アーキテクチャ情報などを含むドキュメントが生成され、開発効率化と知識共有による開発品質向上を実現します。具体的な手順と生成されるドキュメントの内容が詳細に記述されています

zenn.dev

Claude Codeの会話ログ分析による業務改善と効率化

Claude Codeの会話ログをJSONL形式で保存し、DuckDBを用いて分析することで、自身の仕事スタイルを改善する方法が解説されています。日々の利用状況や音声入力に関する課題を分析し、業務効率の向上を目指します。さらに、英語プロンプトを活用した学習効率化やエラー削減、JSONLスキーマ情報の整理による分析クエリ精度向上、そしてログの長期保存設定による継続的な分析についても言及しています。

www.yasuhisay.info

特定デスクトップPCにおけるWindows Update適用不能問題と対策

2015年から2017年にかけて製造された富士通のESPRIMO、CELSIUSシリーズの一部デスクトップPCにおいて、Windows Update適用不可による起動不能問題が発生しており、FCCLと富士通は特設ページを開設し、当該機種へのWindows Update配信を停止しました。原因はWindows 11へのアップデートやUEFI/BIOS設定の可能性も示唆されていますが、問題は2025年まで継続する可能性があり、影響を受けるPCユーザーは特設ページを確認する必要があります。

www.itmedia.co.jp

Google Cloudの大規模サービス障害に関する詳細な原因究明と対策

6月13日、Google Cloudで大規模なサービス障害が発生し、12時間以上にわたり100万件以上のサービスに影響が出ました。障害原因はService ControlのAPIの不具合で、5月29日に導入された変更が原因の一部と判明しています。6月12日にはSpannerにも影響が及ぶなど、APIの不具合による連鎖的な障害が発生しました。Googleは障害原因の調査と再発防止策を講じており、Site Reliability Engineering(SRE)チームが対応にあたっています。この障害は世界的に広がり、複数のサービスに影響を与えました。

www.itmedia.co.jp

中国のロボット技術の進化と発展、世界市場への影響

中国のロボット技術発展の歴史を25年にわたって振り返り、2000年以降の急速な進化と、現在世界最強のロボ大国となった現状、人件費高騰や政府政策「ロボット+」による産業発展、安価で多機能なロボット製品による世界市場での成功、そして産業用ロボット分野における日本の優位性を脅かす勢いまでを解説した記事です。

wpb.shueisha.co.jp

緊急業務と重要業務のバランスと組織運営における課題

pospomeのプログラミング日記の記事「緊急じゃないけど、重要なこと」では、緊急業務に追われることで組織成長が停滞すること、管理職は緊急ではないが重要な業務に時間を割くべきであることを指摘しています。重要な業務のための時間を確保するには、ミーティング削減や業務委譲など、トレードオフを伴うリスク許容が必要であり、組織が機能不全の場合は、まず組織修復に集中すべきだと論じています。

www.pospome.work

米国の制裁下におけるファーウェイの中国製部品のみによるノートPC製造成功

米国の制裁により部品調達に苦戦していたファーウェイが、6年かけて中国製パーツのみでノートPCを製造することに成功しました。CPU、メモリ、ストレージといった主要部品の国産化率はほぼ100%に達し、独自OS「HarmonyOS」や自社開発チップの搭載により、性能面でも海外製品に匹敵するレベルに到達しています。これは、中国の技術力向上と愛国心を象徴する出来事として注目されており、ファーウェイの旧モデル「Mate 40 Pro」の高人気と中古市場での盛んな取引も合わせて紹介されています。

ascii.jp

AppleのiOS 26におけるAI機能強化と新デザインUIの採用

AppleがWWDCで発表したiOS 26は、**革新的なUI「Liquid Glass」を採用し、Androidとの差別化を図る重要なアップデートです。Liquid Glassは従来のiOSデザインとは大きく異なり、Apple独自のAI「Apple Intelligence」によるAI機能強化も特徴です。iPhone 16以降への搭載が予定されており、互換性についてはiPhone XS/XR以降の機種に対応する予定です。

www.itmedia.co.jp

Rust製無料プロキシツール「Caido」の概要と特徴

Rust製の無料プロキシツール「Caido」は、Webアプリ通信の傍受・改変に優れたツールで、高速性と使いやすさが特徴です。Burp Suiteの代替として注目されており、HTTPQLによる効率的な検索やワークフロー機能による自動化、豊富なPluginによる機能拡張が可能です。バグハンターに最適化されており、Android/iOSにも対応、学生向け無料プランも提供しています。

scgajge12.hatenablog.com

iOS 26における迷惑電話・メッセージ対策機能の強化

iOS 26、iPadOS 26、macOS Tahoe 26で迷惑電話・メッセージ対策機能が強化され、不明な番号からの着信を自動応答し、要件をテキスト化、不明な送信者からのメッセージを専用フォルダに自動振り分けする機能が追加されました。これは、近年増加している詐欺被害への対策として、ユーザーの安全・安心を向上させることを目的としています。受信箱の整理と詐欺被害リスク軽減に大きく貢献する、重要なアップデートです。

japan.cnet.com

Claude CodeとGitHub Issueを用いた全自動開発システム

Claude CodeとGitHub Issueを連携させ、全自動開発システムを構築する方法を紹介しています。GitHub Issueにテンプレートを作成し、優先順位を設定することで、ghコマンドとスクリプトを用いた自動実行を実現し、実行履歴の完全保存と進捗状況の表示を可能にしています。さらに、自宅用バージョンではコミットせずにコードを確認する仕組みも備えています。

memotty-obsidian.pages.dev

AIを活用したソフトウェア開発における形式手法と関数型プログラミングの有効性

AIコーディングエージェント利用による開発における課題(物量増加、コンテキスト理解の限界、品質保証)に対し、形式手法(Alloy、TLA+)と関数型プログラミングを組み合わせた解決策を提案しています。具体的には、形式手法による仕様モデリングと検証で曖昧性の排除と自動検証、完全性の保証を実現し、AIと人間の共通言語を確立、書店システムを例に競合状態やデータ不整合などの問題点を発見、代数的データ型(ADT)と関数型プログラミングによる型安全な実装で形式仕様の制約をコードに反映、プロパティベーステストで仕様適合性を自動確認し、AI駆動開発におけるシフトレフトアプローチを実現することを示しています。

speakerdeck.com

Haskellを用いた競技プログラミングにおけるアルゴリズムの抽象化

Haskellを用いた競技プログラミングに関する記事で、AtCoderのABCコンテスト(081, 305, 409, 308, 235)の5問を解説付きで紹介しています。配列操作、二分探索、幅優先探索、動的計画法(DP)といったアルゴリズムが用いられており、HaskellのaccumArraybfs関数、累積和計算、効率的な探索アルゴリズムの実装例が示されています。さらに、getInts, getTuple, getCharGridといった入出力関数もコード例に含まれています。

speakerdeck.com

Anthropicのマルチエージェントシステム構築に関する知見

Anthropicが公開した「How we built our multi-agent research system」記事の要約では、Claudeの「Research」機能開発におけるマルチエージェントシステムの構築方法が解説されています。リーダーエージェントと複数のサブエージェントによるオーケストレーター・ワーカーパターンを採用し、並列処理の効率化を実現していますが、エージェント間の情報共有が課題となっています。 プロンプトエンジニアリングの重要性が強調され、8つのコツが紹介されています。効果的な評価方法として、小規模テストからの段階的実施、LLMと人間の評価の組み合わせが提案されており、トークン消費量への対策も重要な課題として挙げられています。

zenn.dev

Kotlinを用いた関数型プログラミングにおける代数的データ型の解説

Kotlinを用いた関数型プログラミングにおける代数的データ型の解説記事です。代数的データ型は直積型と直和型から構成され、Kotlinではdata classsealed class/sealed interfaceで表現できます。特にsealed classを使うことで、データの網羅性をコンパイル時に保証し、バグを減らす効果があります。enum classや継承は代数的データ型の性質を完全に満たさず、不適切であることも説明されています。代数的データ型を利用することで、コードの可読性と保守性が向上します

speakerdeck.com

AWS WAFによるアプリケーションレイヤー(L7) DDoS保護機能の強化

AWS WAFがアプリケーションレイヤー(L7)のDDoS攻撃防御機能を新たにサポートしました。これまで高額だったAWS Shield Advancedに代わる選択肢として、リソースレベルでのDDoS保護(ALB限定、追加料金不要)とAWSマネージドルールグループによるDDoS保護(ALB以外も対応、月額料金とリクエスト料金あり)の2種類の防御機能が提供されます。機械学習を用いて異常トラフィックを検知し、「challenging」と「blocking」で攻撃を緩和する仕組みで、感度設定による対応レベルの調整も可能です。本番環境への導入前に必ず開発・ステージング環境でのテストを実施し、カウントモードでの運用開始が推奨されています。Shield Advancedと比較すると自動緩和や有人監視機能は劣りますが、コストパフォーマンスに優れています。

dev.classmethod.jp

Amazon Bedrockのアプリケーション推論プロファイルとコスト最適化

Amazon Bedrockの基盤モデル利用コストの分析を容易にするアプリケーション推論プロファイルが紹介されています。このプロファイルは、コスト配分タグを紐づけることで利用者毎の費用追跡を可能にし、Claude Codeなどでも利用できます。CLIによるプロファイル作成とコマンドでの設定確認方法、ローカルでのトークン数記録と費用確認、便利なツールccusageについても解説されています。

qiita.com

Rustにおけるシェルスクリプト型DSL「Hypershell」とContext-Generic Programming

Rustでシェルスクリプト風のプログラムを書けるモジュール型ドメイン特化言語(DSL)「Hypershell」を紹介する記事です。Context-Generic Programming (CGP)を用いて、構文や意味論の拡張・修正が容易で、高度なモジュール性と拡張性を備えています。チュートリアルは少ないものの、Hypershellの実装とCGPの概念を詳しく解説した長文ブログ形式となっており、新たなハンドラの追加も容易です。CGPコミュニティへの参加や開発への協賛も呼びかけています。

contextgeneric.dev

生成AI導入におけるチューニング効率化と現実的な対応策

生成AI導入におけるチューニングの重要性と効率化手法について解説しています。導入作業の約9倍の時間を要するチューニングを効率化するため、生成AI自身によるプロンプト修正や、スプレッドシートやデータベースを用いたログ管理システムによるフィードバックの効率的収集・活用といった方法を紹介。さらに、業務フローの見直しや、90点で妥協するといった現実的な対応策も提案しています。

note.com

SnowflakeとDatabricksによるPostgreSQLマネージドサービス企業買収とその背景

SnowflakeとDatabricksがPostgreSQLマネージドサービス企業を買収した背景として、OLTPデータベース需要の高まりとHTAP/Zero ETL実現が挙げられます。Snowflakeは既存企業、Databricksは新規アプリケーションへの展開をそれぞれ目指しており、戦略に違いが見られます。この買収劇はPostgreSQLの重要性を高め、関連するエンジニアのスキル需要拡大にも繋がると予想されます。 データ・AI業界全体に大きな影響を与えるでしょう。

zenn.dev

関数型言語(Elixir, Elm)を用いたシステム開発における継続的な運用と開発手法

Siiibo証券はElixirとElmといった関数型言語を採用し、5年以上に渡りシステム開発を継続しており、少人数チームで1日平均約5回のデプロイを実現しています。技術選定においては「継続可能な機能」「人材確保」「資金調達」を重視し、コードレビュー、自動化、CI/CDを徹底することで、高い品質と保守性を維持しています。さらに、コミュニティへの貢献や情報収集を通じて技術課題を解決し、優秀な人材の採用促進にも繋げている点が示されています。

zenn.dev

関数型プログラミング言語(Haskell, Scala, Clojure, Elixir)の比較と特徴

関数型プログラミング言語Haskell、Scala、Clojure、Elixirの特徴を、関数型プログラミングに精通したシニアエンジニアが比較解説しています。約12年間関数型プログラミングを学習・実践してきた著者は「関数型まつり2025」の運営スタッフであり、ClojureとHaskellの使用経験が豊富です。関数型プログラミングの基礎概念である関数の組み合わせ、不変データ構造、遅延評価に加え、各言語におけるモジュール定義、関数定義、データ構造、評価戦略の違いをコード例付きで丁寧に説明しています。

www.docswell.com

AWSサービスのサポート終了情報に関するまとめサイト

AWSが、サービスのサポート終了情報をまとめたウェブサイトを公開しました。新規顧客受付終了、サポート終了発表済、サポート終了済みの3つのステータスでサービスを分類し、終了サービスの移行先や関連情報へのリンクも提供することで、Amazon Timestream for LiveAnalyticsなど複数のサービスの効率的な移行計画支援を目的としています。

news.yahoo.co.jp

Reactの内部アーキテクチャ(Fiber)とレンダリングプロセスの解説

Reactの内部動作を解説した記事で、UIの宣言的な記述、仮想DOM(Fiberノード)を用いた効率的なレンダリング、レンダリングの4フェーズ(トリガー、スケジューリング、レンダー、コミット)、Fiberノードによるコンポーネントの状態や親子関係、更新優先度の管理、React 16以降のFiberアーキテクチャによるパフォーマンス向上、Lanes(レーン)を用いた複数の更新の同時処理といった内容について、詳細に説明されています。

zenn.dev