Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/06/13 #219 - 今日の技術情報ダイジェスト

金融系ITシステム開発の苦労と魅力

金融系ITシステム開発は、高いセキュリティと正確性が求められるため、非常に厳しい環境であり、システム停止は許されず、細心の注意と徹底した対策が必須です。コストとのバランスも重要となります。銀行、証券、クレジットカード会社など、分野によって厳しさは異なり、特に取引系システムは厳格な基準が求められますが、高報酬と、他の業界でも通用するスキル習得の機会が得られる魅力もあります。医療系や官公庁システム開発も、難易度とストレスの高さから敬遠される傾向があることが、エンジニアたちの声から示唆されています。

togetter.com

Webサイトによるユーザー追跡とプライバシー保護

元Googleエンジニアが開発したツール「WebXray」は、ウェブサイトがユーザーのネット履歴をどのように追跡しているかを可視化する検索エンジンで、検索ワードがどのサイトでどのように追跡され、広告表示やデータ収集といったプライバシー侵害に利用されているのかを明らかにします。これにより、企業によるプライバシー保護の主張の真偽を検証したり、訴訟支援ツールとしても活用でき、プライバシー保護の促進に役立ちます。

www.gizmodo.jp

AI画像生成と著作権問題

ディズニーとユニバーサル・スタジオが、AI画像生成ツールMidjourneyを著作権侵害で提訴しました。これは、MidjourneyなどのAIが学習データとして利用した既存作品に基づいて画像を生成することで、著作権侵害が発生する可能性があるという問題を浮き彫りにしたものです。この問題は、AI開発企業だけでなく、多くの企業が取り組むべき重要な課題であり、NYT、Reddit、Anthropicなども同様の問題に直面しています。

www.itmedia.co.jp

macOSファイル名の濁点・半濁点問題

macOSで濁点や半濁点を含むファイル名を使用する際、HFS+とAPFSのファイルシステムの違いや、アプリケーション、シェルによる正規化処理の違いによってファイル名に不整合が生じる「NFD問題とUTF-8-MAC問題」を解説します。具体的には、HFS+はファイル作成時にUTF-8-MAC正規化、APFSは参照時にNFD正規化(ランタイム正規化)を行うため、FinderなどのGUIアプリケーションとCLIコマンド、zshなどのシェル間でファイル名の扱いが異なり、互換性の問題が発生する可能性があることを説明しています。

qiita.com

p5.jsによるクリエイティブコーディング入門

p5.jsはWebブラウザ上で簡単にグラフィック制作ができるJavaScriptライブラリで、環境構築不要、p5.js Web Editorを使えばすぐに始められます。この記事ではp5.jsの基本的な関数と、ランダムに動く点群のアニメーション作成手順を解説しており、完成した作品はOpenProcessingやNEORTなどのプラットフォームで公開可能です。p5.jsに関する様々な記事や書籍の紹介もあります。

ics.media

Claude Code活用術

著者がClaude Maxを1ヶ月間使用した経験に基づき、その効率性と具体的な活用方法を紹介しています。プロンプト作成においては、詳細なコンテキストや例を盛り込むこと、新しいプロンプトを頻繁に作成することの重要性を指摘し、サブエージェント機能、計画モード、編集機能などを活用することで作業効率が向上したと報告しています。また、一度に多くの作業を依頼するのではなく、段階的に指示を出すことで精度と効率性を高められると結論づけています。

spiess.dev

LLMプロンプトエンジニアリング入門

Forkwell Libraryの第98回勉強会の内容をまとめた記事で、大規模言語モデル(LLM)のプロンプトエンジニアリングについて解説しています。LLMの能力を最大限に引き出すためのプロンプト作成方法を、LLMの基礎からプロンプト設計の構造・要素まで丁寧に説明しており、服部佑樹氏と佐藤直生氏(翻訳者)による講演内容が紹介されています。生成AIの活用に興味のあるエンジニアにとって有益な情報が満載です。

speakerdeck.com

Claude Codeによる保守しやすいコード生成

Claude Codeを用いた効率的なコード生成と保守性の向上をテーマに、プロジェクトドキュメント、lint/format/テスト設定、サンプルコードの準備、git-secrets、Git Hooks、DevContainerを活用したコード品質とセキュリティの確保、そしてサンプルコードやテンプレートリポジトリによる開発の円滑化といった実践的な手法を解説しています。生成コードの質向上と保守性を高めるための具体的な事前準備とガードレールについて、詳細な手順とともに説明しており、必要に応じたルールや設定の見直し・追加による継続的な改善の重要性も強調しています。

www.memory-lovers.blog

AIシステムへのゼロクリック攻撃「Echoleak」

メールを受信するだけで機密情報が盗まれるゼロクリック攻撃手法「Echoleak」が発見されました。攻撃者は、特殊なプロンプトを用いてAI(Microsoft Copilotなど)を操作し、機密情報へのアクセスと送信をさせます。これはAIの検索機能(RAG)と画像生成機能の脆弱性を悪用した攻撃で、Microsoftは既に修正済みですが、同様の脆弱性は他のAIシステムにも存在する可能性があります。この攻撃はAIの設計自体に根本的な問題があり、信頼できるデータの明確な区別が必要であることを示唆しています。

gigazine.net

30代からのプログラマー転身物語

30歳からプログラミングを始め、3年でRubyKaigiに登壇した塩井美咲さんの驚くべきキャリア転身物語を紹介する記事です。事務職など、不遇な経験を経てプログラミングの世界へ飛び込み、Rubyコミュニティとの出会いをきっかけに成功を収めた軌跡、努力、周囲のサポート、そして「運」の要素がどのように絡み合ったのかを詳細に解説しています。プログラミングスキル習得だけでなく、人文書を読むなど多様な興味を持つ彼女の生き方にも触れられています。

life.job-draft.jp

PCIe 7.0の正式リリースと光接続化

PCIe 7.0が正式リリースされ、最大128GT/sの帯域幅を実現しました。これはPCIe 6.0の2倍、PCIe 5.0の4倍の速度に相当し、AI処理や大規模データセンターなど、大量のデータ転送を必要とする用途に向いています。さらに、光ファイバー接続に対応する仕様も発表されており、長距離接続や省スペース化、下位互換性も維持されます。

pc.watch.impress.co.jp

新規事業開発における顧客理解

ドワンゴ川上量生氏が、新規事業開発における成功の秘訣として、顧客の声ではなく顧客の気持ちの理解を重視すること、徹底的な脳内シミュレーションによるユーザー行動予測、バイアス排除と仮説検証の積み重ね、柔軟な対応力、そして感情的な好き嫌いを排し、チームには必要な情報のみを伝えるリーダーシップの重要性を説いています。

type.jp

低価格AIロボットアーム「Navrim」

219ドル(約3万円)という低価格で、AIを搭載したロボットアーム「Navrim」が発売されました。30分の学習で動作を覚え、自然言語による指示にも対応します。オープンソースロボットアーム「LeRobot SO-101」を改良したもので、チェスやタイピング、3Dプリンター操作など、様々な作業をこなすことができます。2台のカメラとLLMの連携により、高機能でありながら低価格を実現しています。

gigazine.net

AIコーディング時代の開発戦略

AIコーディングの急速な進化と、開発現場への影響、特に4月から6月にかけてのAIコーディングの必須スキル化について解説しています。AI活用戦略として、定額サービスからの利用開始、コンテキスト管理、大胆な実験が提案され、シニア・若手問わず「熱意と探究心」が重要であると結論づけています。AIは知識の代替ではなく増幅器であり、積極的な活用が推奨されています。

speakerdeck.com

Claude Codeによる複雑なタスクのステップ実行

Roo OrchestratorをClaude Codeで再現し、Claude CodeのTask機能による並列処理でRooの並列処理非対応を克服、ディレクトリ構造を用いた効率的なタスク分割・実行プロンプトの作成、分析・テスト・修正・コミットといった作業の自動化、Claude Codeのカスタムコマンド機能とTaskツールの活用について解説しています。

zenn.dev

7型UMPC「GPD MicroPC 2」

GPD Technologyが7インチUMPC「GPD MicroPC 2」を発表しました。7月より予約開始予定です。180度開く2in1構造で、最大3台のモニター接続が可能です。Intel N250 CPU、16GBメモリ、512GB SSDを搭載し、OSはWindows 11 Proです。USB Type-C PD給電に対応し、冷却機構強化により静音性が向上しています。バッテリー駆動時間は高負荷時2時間、低負荷時8時間です。

pc.watch.impress.co.jp

Claude Codeの定額制プラン活用法

AIコーディングツール「Claude Code」の定額制プラン発表を受け、従来の従量課金モデルとは異なるメンタルモデルへの転換が必要であると主張しています。Claude Codeを最大限に活用するには、「失敗を前提」「苦手な作業はさせない」「無限に作業をこなす装置」という新しい視点が必要で、AIと人間の認知特性の違いを理解し、過剰な期待をしないことが重要であると解説しています。定額制のメリットを活かすには、不要な作業を捨てる柔軟な開発スタイルが求められると結論づけています。

speakerdeck.com

Webブラウザによるユーザー情報収集

様々なWebブラウザのプライバシー保護機能を比較し、Chromeとプライバシー重視ブラウザ(Tor Browserなど)の違い、Surfshark等のVPN併用によるプライバシー強化、Microsoft Edge、Opera、Firefox等の機能やアップデート状況を解説し、ユーザーのプライバシーレベルに最適なブラウザと設定を選択する必要性を示唆しています。特に、ユーザー情報を収集するブラウザのランキングと、その収集数の詳細なデータが掲載されています。

www.itmedia.co.jp

AI学習用画像投稿によるポイント獲得サービス

AI学習用の画像を投稿すると換金可能なポイントを獲得できる新サービスがフォトストック事業者から開始されました。1枚あたり数十円から数百円のポイントが付与され、AI学習に利用される画像を投稿することで収益を得ることが可能です。また、AIを用いたWebサイトの不正アクセス検知システムに関する記事では、1日に約500件の不正アクセスを検知し、誤検知率が低いシステムについて紹介しています。このシステムはAI学習により不正アクセスのパターンを認識し、精度を高め、既に11カ所以上のWebサイトで運用されています。

www.itmedia.co.jp

Claude Codeの1ヶ月利用体験談

Anthropic社のAIコーディングエージェント「Claude Code」を1ヶ月間ほぼ毎日利用した体験に基づき、その魅力と所感をまとめた記事です。Maxプランの定額利用開始により気軽に利用できるようになった点をはじめ、ターミナル上での完結性によるキーボード操作のみでの効率的な開発作業、コード調査から実装、テストまでを自律的に実行できる高い能力、そしてClineと異なりモードレスで思考が中断されずにアシスタント的に利用できる点を詳細に解説しています。

zenn.dev

サム・アルトマン氏によるシンギュラリティ発言

OpenAI CEOのサム・アルトマン氏が、AIの急速な進化を「穏やかなシンギュラリティ」と表現し、2025年までにスーパーインテリジェンス実現の可能性、2030年までにAIが人間の知能を凌駕する可能性を示唆しています。ChatGPTなどの大規模言語モデルの電力効率向上にも言及しつつ、AIの倫理的課題や社会への影響についても懸念を示しています。

www.itmedia.co.jp

Claude Codeにおけるトークン使用量削減

Claude Codeを利用した開発において、トークン使用量削減のための具体的なアプローチが紹介されています。レート制限回避、コード生成、コンテキスト管理、事前設計の最適化といった手法により、トークン消費の低減を目指します。具体的な指示、段階的開発、最小限のファイル共有、ChatGPT等他サービスとの併用、そして知見の体系的管理による同じ説明の繰り返し回避などが、有効な対策として挙げられています。

zenn.dev

ソフトバンクの顧客情報流出事件

ソフトバンクとワイモバイルの顧客情報約14万件が、業務委託先のUFジャパンによる不適切な情報取り扱いによって流出する可能性があることが判明しました。流出した可能性のある情報は、氏名、住所、生年月日などの個人情報ですが、クレジットカード情報は含まれていません。ソフトバンクはUFジャパンへの業務委託を停止し、契約を解除するとともに、警察への相談を行っています。再発防止のため、情報管理体制の強化を進めています。

pc.watch.impress.co.jp

中国発汎用AIエージェント「Manus」

中国のAIスタートアップButterfly Effectが開発したAIエージェント「Manus」は、OpenAIのDeep Researchを超える性能とされ「世界初の汎用AIエージェント」と謳われています。マルチエージェント構成により複雑なタスクに対応し、物件探しなども可能です。現在、一般公開中で無料トライアルも利用できますが、高額な有料プランも存在します。高い性能が評価される一方で、クレジット消費や画像認識などの課題も指摘されています。

www.sbbit.jp

AIエージェント「Cursor」による開発マネジメント

DMM Developers Blogの記事では、AI搭載コードエディタ「Cursor」を用いた開発マネジメントの効率化について解説しています。開発プロセス全体の効率化に加え、企画や管理といった開発以外の工程における課題解決にもAIを活用する方法を紹介。具体的には、「Cursor」によるワークフロー構築による定期作業の自動化、類推見積もりやコードからの仕様自動抽出によるエンジニアの負担軽減、そして工数分析による開発業務への集中度確認と生産性向上といった実践的な内容が網羅されています。

developersblog.dmm.com

汎用AIシステム開発

shi3z氏が開発した汎用AIシステムは、テキストファイルの内容を音声で説明可能で、OpenAIのリアルタイムAPIを使用しており、時給換算で約1500円の費用がかかります。従来の「汎用AI」とは異なり、データ入力による応答の変化や自由な操作性が特徴で、著者はAIとの共生関係を築き、AIによるコード作成支援を受けています。

note.com

LLMの制約を活かす開発手法

LLMを用いたAIコーディングツールの利用において、複雑なタスクでは期待通りの結果が得られないことが多いですが、これはLLMが複数の制約を同時処理するのが苦手で、長いコード全体を理解できないことが原因です。そのため、Chain-of-Thoughtプロンプティングを用いた段階的な指示、プロジェクト固有情報の明確化、各ステップでの検証、そしてClaude CodeのTodoWrite機能のような自動化ツールの活用が有効な対策として挙げられています。

zenn.dev

40代シニアソフトウェアエンジニアのキャリア継続

レバテックラボの記事では、40代シニアソフトウェアエンジニアが、長期間にわたってモチベーションを維持し、燃え尽き症候群を回避するための方法について述べています。具体的には、管理職ではない高度な技術専門職であるスタッフエンジニアとして、チームマネジメントとOSS活動の両立による技術スキル維持、自身の適性と環境のマッチングの重要性、そして体力・精神面への配慮とON/OFFの切り替えの必要性を強調しています。

levtech.jp

東大開発の超高速レーザー加工技術

東京大学とAGCが共同で、レーザー加工速度を従来比100万倍高速化する技術を開発しました。ピコ秒単位の超精密なレーザー制御により、ガラス基板に超微細な貫通穴加工を実現し、半導体製造工程におけるガラス基板の微細加工における課題を解決します。この技術は、従来の化学薬品を用いたエッチング法と比較して、高速・高精度・低コストな加工を可能にします。半導体産業だけでなく、宇宙開発や医療分野など、幅広い分野への応用が期待されています。

www.watch.impress.co.jp

Claude Codeによる開発効率向上

Stockmark Tech Blogの記事「僕がClaude Codeに食われた日」では、作者がClaude CodeというCLI型のAI Agentを使い始め、開発効率が大幅に向上した経験について述べられています。Claude CodeはCursorやCopilotよりも高性能で、特に文脈理解力とコード生成能力に優れ、開発工程の7割を担えるほどだったとのことです。UI作成や大規模開発など、苦手な部分もあるものの、生産性向上に大きく貢献したと評価しています。一方で、組織的な導入に向けた課題解決や責任分担の明確化が必要であるとも指摘しています。

stockmark-tech.hatenablog.com