Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/06/01 #207 - 今日の技術情報ダイジェスト

PostgreSQLデータベース設計ガイドライン

Future社が公開した2つのPostgreSQL設計ガイドラインに関する記事を紹介します。1つ目は「PostgreSQL設計ガイドライン | Future Enterprise Arch Guidelines」で、OLTPシステム開発のためのDB設計標準を提示しており、テーブル種別(トランザクション、マスタ、ワーク、サマリ)、正規化、命名規則、バリュー ドメイン、論理変換、区分値の管理手法、物理名命名ポリシー、インデックス設計(複数列、ユニーク、式、部分、カバリング、付加列)、データ型、制約、排他制御、トランザクション分離レベル、マルチテナント設計、BCP/DR計画などを詳細に解説しています。2つ目は「PostgreSQL設計ガイドラインのご紹介 | フューチャー技術ブログ」で、論理設計、マスタ/トラン/ワークテーブル設計、スナップショット/導出属性、業務日付、世代管理、排他制御、マルチテナント、キャッシュ戦略、AWS Aurora環境への対応、PostgreSQLバージョンアップ計画、RDSインスタンスサイジング、スケーリング戦略などを網羅しており、実践的で高度な内容で継続的な更新を予定しています。

future-architect.github.io

future-architect.github.io

情報収集方法とAIツール活用

下林明正氏のブログ記事では、情報収集の効率化について、ChatGPTのdeep researchやNotebookLM、YouTube動画、Whisperによる高精度文字起こしなどを活用した取り組みが紹介されています。具体的には、YouTube動画の自動文字起こしの精度が低いという課題を、Whisperを用いて解決し、その結果をNotebookLMに入力することで情報収集の精度向上を目指しているとのことです。 将来的にはAIによる自動化による情報収集の容易化への期待が述べられています。

shimobayashi.hatenablog.com

証券口座乗っ取り事件

中国からの不正アクセスにより、複数の証券会社で顧客口座が乗っ取られ、3000億円超の不正売買被害が発生した事件で、警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑で捜査を開始しました。被害は17社に及び、顧客認証情報の悪用が疑われています。不正売買は国外からの遠隔操作で行われたとみられており、警視庁は犯罪組織の特定を目指しています。日本経済新聞では会員限定記事として詳細が報じられています。

www.nikkei.com

大規模認証情報漏洩事件

サイバーセキュリティ研究者が、1億8400万件以上のログイン情報がパスワードなしで保存されたデータベースを発見しました。このデータベースには、Google、Microsoft、Facebookなどの大手企業や金融機関、政府機関のアカウント情報が含まれており、誰でもアクセス可能な状態だったため、大規模なデータ漏洩が発生した可能性があります。情報窃取型マルウェアがデータ収集に関与した可能性も指摘されており、ホスティングサービス側は情報開示を拒否しているため、詳細は不明です。

news.yahoo.co.jp

生成AIの業務活用と認知負荷軽減

生成AIの業務活用においては、生産性向上よりも認知負荷の軽減が重要であり、LLMによるハルシネーション(誤答)のリスクを踏まえつつも、大量のアウトプット高速生成による人間の作業補助、業務体験の変革、そして「雰囲気コーディング」を通じた認知疲労軽減に注目すべきです。 AI活用は、これまで不可能だった作業を可能にし、人間の能力向上に繋がる可能性を秘めているとされています。

togetter.com

生成AIによる政府文書作成問題

米政府の公式報告書において、ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官による報告書に、存在しない論文の引用やAI使用痕跡が発見され、生成AIが使用された可能性が浮上しています。この事実は、生成AIによる報告書作成が情報信頼性に深刻な疑問を投げかけるだけでなく、急速な生成AI普及に伴う国際的な規制や著作権問題の必要性を浮き彫りにしています。日本経済新聞の記事では、この問題の詳細と生成AI利用における課題点が解説されています。

www.nikkei.com

任意形状サイコロの確率計算技術

複雑な形状のサイコロでも、その各面が出る確率を物理シミュレーションなしで予測できる新技術が開発されました。重心の位置に着目し、数学的な計算で確率を算出する手法を用いることで、高速かつ微分可能な計算を実現し、目標とする確率分布を持つサイコロの設計を可能にしています。ネコやアルマジロのような形状のサイコロを3Dプリンターで作成し、実験によって予測精度の高さを確認しており、ゲーム業界のみならず、工業製品の組み立てやロボット工学などへの幅広い応用が期待されています。

gigazine.net

AIコーディングツール:Claude Codeの使い方

Anthropic社のClaude Codeが正式リリースされ、高精度とエディタ統合による使いやすさが好評です。利用方法はAnthropic APIによる従量課金と、月額$100のClaude Maxプランの2種類の提供で、Maxプランは高額ですが、Claude Codeの効率性を考慮すると費用対効果が高いとされています。CLIベースで操作し、タスク依頼、承認、実装、確認の流れでコーディングを行うことができ、Cursorと比較してコーディング性能の高さから開発効率の大幅な向上に貢献すると期待されています。

note.com

Microsoftが提唱するOpen Agentic Web

マイクロソフトCEOがBuild 2025で発表した「Open Agentic Web」は、AIが主体的に行動する次世代Webであり、Web 4.0への展望を示唆するものです。AIを活用することで、ユーザーのニーズに合わせたパーソナライズされた、より効率的なWeb体験を目指しており、従来のWebサイトを「司書のいない図書館」と表現し、その限界を指摘しています。

www.itmedia.co.jp

IIJセキュアMXサービスへの不正アクセス

インターネットイニシアティブ(IIJ)の法人向けメールセキュリティサービス「IIJセキュアMXサービス」において、Active! mailの脆弱性(CVE-2025-42599)が悪用され、約8ヶ月間に渡り不正アクセスが発生、顧客情報のメール本文、メールアカウント、他社クラウド認証情報などが流出した可能性があります。IIJは不正アクセスを検知できておらず、現在、振る舞い検知の強化やWAFの多層化などの対策を検討しています。

piyolog.hatenadiary.jp

AIエディタCursorとルールファイルrulesを活用した要件定義効率化

Qiitaの記事「Cursorで要件定義をめっちゃ簡単に」を拡張した内容で、AIエディタ「Cursor」とルールファイル「rules」を用いて、要件定義から詳細設計、レビューまでを効率化する手法を紹介しています。rulesファイルに要件定義プロセスやガイドラインを記述することで、Cursorが自動的にヒアリング、静的解析、変更点・データ設計の列挙、レビューなどを支援し、作業効率を向上させます。Cursorを単なるエディタではなく、開発者の思考プロセスを拡張するツールとして活用し、ルールをバージョン管理することでチーム全体での学習・継続的な改善を促進する点が示されています。

qiita.com

ローカルPCでの高速LLMファインチューニング

計算資源が少ない環境でも、GoogleのオープンソースLLM「Gemma 3」と高速化ツール「UnslothAI」を用いて、大規模言語モデル(LLM)を効率的にファインチューニングする方法が紹介されています。UnslothAIは学習速度を最大2.7倍向上させ、必要なGPUメモリを60%以上削減します。Gemma 3は多様なサイズ、マルチモーダル対応、多言語サポートと幅広い機能を備えています。記事では、実装方法から運用、パフォーマンス検証まで詳細に解説されており、ローカルPCでの高速ファインチューニングを実現する手法を学ぶことができます。

qiita.com

ByteDanceの新作生成AIツール群

ByteDanceが、テキストと画像の両方に対応した高性能生成AI「MMaDA」、PDFや画像からテキストを抽出するAI「Dolphin」、画像生成AI「BAGEL」、大規模言語モデルの学習効率化手法「PMA」など、5つの新たなAI技術を発表しました。MMaDAは数学、画像理解、生成において既存モデルを上回る性能を示しており、Dolphinは軽量ながら高精度かつ高速な文書画像解析を実現しています。さらに、オックスフォード大学による、脳に電極を埋め込まずに脳活動から文章を生成する非侵襲AI技術の開発も報告されています。これらの技術は、AI分野における目覚ましい進歩を示しています。

www.techno-edge.net

アジャイル開発におけるアイデア拡散

Panda Noirによるブログ記事「『アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』を読んだ」では、書籍「アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン」の内容紹介と感想が述べられています。48個のアイデア拡散パターンが事例と共に解説されており、アイデアの拡散、コミュニティ形成、改善活動などに役立つとされています。特に第1部は忙しい人にもおすすめで、プログラミングの設計にも通じる部分があると指摘されています。

www.pandanoir.info

Amazon S3のバケット自動マウント機能

Amazon S3のバケットをEC2インスタンスに自動マウントできるようになりました。これまでは手動でマウントする必要がありましたが、今回のアップデートにより、fstabファイルに設定を追加することで、インスタンスの再起動後も自動的にS3バケットがマウントされるようになります。運用効率の向上に繋がる重要なアップデートで、AWS BusinessおよびEnterpriseサポートプランでは24時間365日のサポートも提供されます。GitHubと製品概要ページで詳細を確認できます。

aws.amazon.com

ハードウェアエンジニア採用難

近年、ハードウェアエンジニアの採用難が深刻化しており、多くの企業が優秀な人材の確保に苦戦しています。ソフトウェアエンジニアと比較してハードウェアエンジニアの数は少なく、ハードウェア開発は初期費用が高く参入障壁が高いこと、また、ソフトウェア開発に比べて魅力が伝わりにくいことが原因として挙げられます。この問題は長期的であり、数十年前から同様の状況が続いているという指摘もあります。

togetter.com

軽量版DeepSeek-R1の性能評価

DeepSeek-R1の軽量版であるDeepSeek-R1-0528-Qwen3-8Bがリリースされ、個人PCでも動作可能になりました。AlibabaのLLM「Qwen3」を蒸留することで性能が向上しており、日本語での動作テストでも生成速度と精度の向上が確認されています。日本語プロンプトに対する応答は自然で、指示への追従性が高い点が特徴です。

zenn.dev

AIのハルシネーションとウェルニッケ失語症の類似性

東京大学による研究で、AIハルシネーション(AIが事実と異なる情報を生成する現象)が、意味や一貫性を欠くウェルニッケ失語症患者の脳活動と類似していることが数理解析によって確認されました。Googleは高性能AIモデル「Veo 3」「Imagen 4」「Flow」を発表し、音声付き動画生成や映画制作ツールの強化を発表、OpenAIはジョニー・アイブ氏の新興企業を買収、AI推進法が成立し、企業はAI技術開発・人材育成に注力しています。

ledge.ai

パナソニック新型レッツノートにおけるVGA端子廃止

パナソニックがレッツノートの新モデル「SC」「FC」を発表しました。従来からの堅牢性、軽さ、長時間駆動は維持しつつ、VGA端子とSDカードスロットを廃止し、HDMIとUSB-C端子に統一しました。第2世代Intel Core Ultraプロセッサ搭載によるAI処理性能の向上や、30分充電で約4.6時間駆動可能な充電優先モードも搭載されています。

japan.cnet.com

楽天証券の絵文字認証導入

楽天証券は2025年6月1日から、ログイン時の多要素認証として絵文字を使ったワンタイムパスワードを必須化します。これは近年増加するネット取引の不正売買、特にフィッシング詐欺対策の一環で、数字のみのパスワードより安全性を高める狙いです。4月の不正売買被害は約3049億円に上り、業界全体で多要素認証の導入が加速する中、楽天証券の取り組みは注目されますが、絵文字認証の使い勝手の悪さが課題となる可能性も指摘されています。

xtech.nikkei.com

地方中小企業エンジニアから大企業執行役員へのキャリアパス

地方中小企業でエンジニアとしてキャリアをスタートし、大企業の執行役員にまで上り詰めた約15年間の経験談です。多重下請けSIerでの経験や、アーキテクト、プロダクトオーナーなど様々な役割を経験してきた中で、エンジニア視点から経営者視点への転換を語ります。日本の社会課題である高齢化や労働力不足といった問題に対し、AI技術を活用した解決策を提案し、アジャイル開発を軸とした日本のパラダイムシフトを目指した構想も紹介しています。

speakerdeck.com

Microsoft Edge 137のリリース情報

Microsoft Edgeの最新バージョン137.0.3296.52がリリースされ、ピクチャーインピクチャー機能の強化(シークバー追加)、8件のセキュリティ脆弱性の修正が行われました。ただし、2025年6月28日までに「ウォレット」機能が完全に削除されるなど、いくつかの機能が削除される予定なので注意が必要です。

forest.watch.impress.co.jp

劣等感を克服したエンジニアのキャリア

PayPay部長である齋藤氏のキャリアパスを紹介する記事です。高卒契約社員からスタートし、初期は協調性に欠けるなど苦労を重ねながらも、失敗や周囲からの指摘を通してチームワークの重要性を学び、エンジニアコミュニティへの参加を通じて自身の立ち位置や人との繋がりを認識、学歴コンプレックスを克服し、部長へと昇進した経験が詳細に語られています。劣等感をバネに成長を遂げた氏の経験は、多くのエンジニアにとって共感や学びを得られる内容となっています。

findy-code.io

GitHub Copilot Spacesの概要

GitHub Copilot Spacesは、コード、ドキュメント、仕様などプロジェクト関連情報を一元管理することで、GitHub Copilotの精度向上とチーム内での知識共有、開発効率化を支援する新機能です。Copilot Spacesを利用することで、チームメンバーは常に最新のコードに基づいた支援を受けられるようになり、早期プレビュー版がGitHub Copilot Business/Enterpriseユーザー向けに公開されています。

github.blog

Vite向けRustバンドラーRolldown

Viteのパフォーマンス向上を目指し、Rustで開発された次世代バンドラーRolldownが発表されました。プレビュー版が公開されており、Viteのデフォルトバンドラーになる予定です。導入によりビルド時間が最大16倍高速化、メモリ使用量が最大100倍削減されるなどの劇的な性能向上が報告されています。Rolldownは別パッケージとして配布され、Viteへの統合は段階的に行われます。早期導入者によるフィードバックが求められており、様々なプロジェクトでのテストが推奨されています。

voidzero.dev

NotebookLMの活用事例

NotebookLMは音声インターフェースのAIツールで、カンファレンス資料の整理や商談準備、社内資料共有といった業務効率化に役立ちます。資格試験学習での壁打ちや勉強会資料の共有にも活用可能であり、2025年5月にはiOS/Androidアプリがリリース予定で、音声解説機能(Audio Overviews)の強化や動画生成機能といった機能拡張も計画されています。

zenn.dev

AIコーディングツールの比較

2025年5月29日時点での、複数AIコーディングツール(Vibe Coding、Agentic Coding)の比較記事で、Vibe CodingにおいてはCursor(定額制で使いやすい)とRooCode(自走力が高いが従量課金)、Agentic CodingにおいてはClaude Code Action(高い自走力を持つが従量課金でAPI使用量に注意)とDevin(安定しているが設定が複雑で個人利用は難しい)の4つのツールを紹介しています。各ツールの特徴を比較することで、最適なAIコーディングツールの選択に役立つ情報を提供しています。

zenn.dev

AIエージェントとAGIの現状

AIコーディングエージェントは、大規模言語モデル(LLM)を活用してプログラミングを自動化しますが、現状は用途特化型であり、汎用人工知能(AGI)とは異なる点が解説されています。LLM単体では性能向上に限界があるため、ロジックによる制御が必要であり、専門性の高いAIエージェント同士の統合も容易ではないことから、AGIの実現は容易ではないと結論付けています。将来的には、専門AIエージェントとLLM技術の進化がAGIにつながる可能性も示唆しています。

nowokay.hatenablog.com

HTMLとCSSのデザインレシピ集

技術評論社より2025年4月14日に発売された狩野祐東氏著「改訂新版 HTML&CSSデザインレシピ集」(720ページ)は、HTMLとCSSの最新実装テクニックを網羅した解説書で、コンテナクエリや@starting-styleといった最新CSS機能、ヒーロー画像、レスポンシブデザイン、レイアウト、アニメーションの実装方法などを豊富な図解と共に解説しており、中級者向けながらも初心者にも理解しやすい内容となっています。

coliss.com