Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/04/22 #167 - 今日の技術情報ダイジェスト

2025年のサイバーセキュリティ動向

KPMGコンサルティングによる「サイバーセキュリティサーベイ2025」の調査結果では、生成AIを活用した高度なランサムウェアやビジネスメール詐欺の増加、サイバー攻撃被害額と情報漏洩被害の深刻化、セキュリティ人材と予算の不足、情報管理や脆弱性対策の不十分さといった現状が示されています。さらに、海外におけるOT、製品、AIセキュリティに関する規制強化を踏まえた対策の必要性も指摘されており、日本の企業はこれらの課題と対策について検討する必要があります。

https://kpmg.com/jp/ja/home/insights/2025/04/cyber-security-survey.htmlkpmg.com

AIの未来予測と社会への影響

5人のAI専門家による論文「AI 2027」では、2027年までのAI発展予測として、2025年のAIエージェント登場、2026年の国際的なAI開発競争激化、そして2027年のAI自己改良によるAGI(汎用人工知能)誕生の可能性が示されています。AGI誕生後は、人類によるAI制御とAIによる人類支配という二つのシナリオが想定されており、一方で、論文の技術的側面への偏りや社会的な反発の過小評価の可能性も指摘されています。

newspicks.com

Reactの基本概念と設計手法

Qiitaの記事「【図解解説】これ1本12分でReactのコンセプト全20種を理解できる教科書」では、Reactの基礎概念20個を図解付きで解説しており、コンポーネント、JSX、props、stateといった重要な概念に加え、関数コンポーネント、Hooks、Suspenseといった最新機能、再利用性・保守性・テスト容易性を高める設計手法、仮想DOM、イベントハンドリング、エラー処理といった実践的な知識も網羅的に説明しています。初心者から上級者まで、レベルに合わせた学習内容が提供されているため、Reactを学びたいエンジニアにとって有用な記事です。

qiita.com

Reactのデザインパターン

Reactのデザインパターン12個を解説し、コードの再利用性向上、保守性の向上、バグ削減を目的としています。HOC、Provider、Presentational/Containerといったパターンを紹介し、React HooksやTypeScriptとの連携についても触れられています。適切なパターン選択と継続的学習の重要性を強調した内容です。

zenn.dev

ChatGPTの新モデルo3とビジネス活用事例

ChatGPTの最新AIモデル「o3」がリリースされ、Web検索、画像解析、プログラミング、画像生成など幅広い機能と高い自律性を備えていることが紹介されています。具体的な活用例として、検索アシスタント、図解作成、PDF解析などが挙げられており、それらを通してリサーチ効率や生産性向上に大きく貢献する可能性が示唆されています。従来モデルより機能強化・自律性向上を果たした「o3」の、ビジネスシーンにおける活用方法やメリットが解説されています。

note.com

ウエスタンデジタルとサンディスクの分社化とHDD新技術

ウエスタンデジタルとサンディスクは2016年の合併から2025年2月に再び分社化されました。その理由は、株主からの要望によるHDD事業とSSD事業の投資戦略の違いです。HDD事業はHAMRなどの高密度化技術を用いた大容量化(40TB HDDは2026年後半に予定)で成長を続け、一方SSD事業(サンディスク)はBiCSフラッシュメモリ技術を基盤に発展しています。ブランド(WD Blue, WD_BLACKなど)やサポート体制に変更はありません。

pc.watch.impress.co.jp

生成AIセミナーの実態調査

近年増加するSNS上の有害な書き込みに対し、AIを用いた検出システム開発の課題が取り上げられています。現状のAIでは正確な検出が難しく、誤検出や見逃しといった問題点があり、LINE等のプラットフォームでの活用には、偽アカウント対策やAIシステムの精度の更なる向上が不可欠であると説明されています。

www.itmedia.co.jp

ChatGPTの電力消費問題とユーザーの言葉遣い

OpenAIのサム・アルトマンCEOが、ChatGPTに対しユーザーが「ありがとう」や「お願いします」といった丁寧な言葉を使うことが、数十億円規模の電力消費につながる可能性を指摘しました。これは、Xユーザーの投稿がきっかけで話題になったもので、丁寧な言葉遣いがAIへの敬意の表れと捉える意見がある一方で、不要な電力消費につながるという批判も出ています。アメリカでは約7割の人がChatGPTなどに礼儀正しく接しており、「正しいから」や「AIの反乱防止」といった理由を挙げる人もいるようです。チャットAIの電力消費は既に世界全体の約2%に達しており、今後増加する可能性も懸念されています。

gigazine.net

DMM動画プレイヤーのApp Store配信停止

DMM.comが提供するiPhone/iPad向け動画視聴アプリ「DMM動画プレイヤー」が、App Storeから配信停止となりました。配信停止の理由は「諸事情」と発表されており、現在、新しい視聴アプリを開発中とのことです。Android版は引き続きGoogle Playで配信されますが、iOS版は既にインストール済みのアプリは使用可能であるものの、アンインストールすると再インストールできなくなります。Webブラウザでも視聴できますが、ダウンロード再生には対応していません。

av.watch.impress.co.jp

慶應義塾大学のAI対策

慶應義塾大学では、学生によるAIを用いた課題提出における不正利用対策として、PDFファイルに人間の目には見えないがAIには検知可能な不可視の文章を埋め込む手法を採用しました。この不可視の文章は、透明度100%の白文字で記述されており、AIが課題を生成した場合にその痕跡を検出し、不正利用を検知する仕組みです。課題文には「自分なりの言葉で」といった記述を加えることで、AI利用を間接的に抑制する工夫も施されています。この対策は、AIの不正利用を防ぎつつ、学生にAI活用におけるリスクと倫理的な側面を教育する目的で用いられており、注目を集めています。

togetter.com

量子コンピュータとLLMのファインチューニング

blueqatの記事では、量子コンピュータを用いて大規模言語モデル(LLM)の追加学習(ファインチューニング)に成功したと報告しており、従来のGPU計算とは異なり、量子計算がLLMの軽量化と表現力の向上を同時に実現できる可能性を示しています。これは、テンソルネットワークを利用した量子的情報構造の再調整が可能になったことによるもので、量子ビットの性質を利用した新たな最適化アルゴリズムの開発も進んでいるとのことです。さらに、LoRAや拡散モデルなど、様々なAIモデルへの量子計算の応用も期待されています。

blueqat.com

SaaSビジネスモデルの変遷とAI時代への進化

Windows XPのCMで使用されたレニー・クラヴィッツの楽曲を起点に、SaaSビジネスモデルの変遷と未来について考察しています。「SaaS is Dead」という表現はSaaSの終焉ではなく、AI時代への進化を意味しており、インフラ抽象化、スケーラビリティ、ベストプラクティス具現化というSaaSの3つの本質的価値はAI時代でも重要ながら、AIエージェントの台頭によるUI設計からAI主導設計への転換が必要となり、SaaSはAIエージェントと共存する形で再構築され、生き続けるという見解を示しています。

takoratta.hatenablog.com

Google Cloud Next '25におけるBigQueryの新機能発表

Google Cloud Next '25で発表されたBigQueryの新機能として、AI統合強化によるデータ準備、クエリエンジン、コード支援機能の改善、メタデータ自動生成やセマンティック検索によるデータガバナンス向上、ストリーミングデータやストアドプロシージャの共有機能拡充、マルチモーダル対応、地理空間分析、そしてクエリ性能向上などが挙げられます。

blog.g-gen.co.jp

LLMの計算メカニズムに関する考察

大規模言語モデル(LLM)が複雑な計算を正確にできない理由を、LLMが独自の計算「回路」を学習データから生成し、トークン単位で処理すること、そしてその回路の動作原理が未解明である点に着目して解説しています。CPUのような命令とは異なるLLM独自の計算方法が、その正確性の限界に繋がっている可能性を示唆しています。

jkomi.hatenablog.com

中国における人型ロボットのハーフマラソン

北京で開催されたハーフマラソンに21台の人型ロボットが出場し、4台のみが完走という結果に終わりました。多くのロボットが転倒や故障に見舞われ、ロボット技術の課題が浮き彫りになりました。XiaomiとUBTechが開発した「天宮ウルトラ」が優勝し世界記録を樹立しましたが、完走したロボットは人間ランナーに大きく遅れ、現状では人間には及ばないことが示されました。

gigazine.net

LLMの金融因果関係抽出能力向上に関する研究

Preferred Networksによる研究では、大規模言語モデル(LLM)の金融分野における因果関係抽出能力向上を目指し、Webデータに加え、EntiGraphを用いて約100Mトークンの合成金融データを生成することでLLMの継続事前学習を行い、その能力向上に成功しました。 この研究では、金融テキストデータからの因果関係学習に焦点を当て、生成データを用いた継続事前学習の効果を実証していますが、今後の課題として、より精度の高い評価方法の確立などが挙げられています。

tech.preferred.jp

新規アプリ開発の工程と注意点

新規アプリ開発を依頼する際、開発工程における注意点や具体的な流れを解説しています。アプリの種類、デザイン、リリース時期、ユーザー規模、マネタイズ方法、インフラなど、開発前に明確化するべき事項と、モック作成、開発環境整備、技術選定といった初期段階、ストア審査申請、セキュリティ診断、負荷試験などの中期段階、QAやインフラコストの見通しといった終盤段階における具体的な作業内容について説明されています。

qiita.com

地方公共団体情報システムの標準化と運用費問題

地方公共団体情報システムの標準化とガバメントクラウドへの移行により、当初目標の運用費3割削減は達成できず、むしろ中核市では平均2.3倍、最大5.7倍もの増加が見込まれ、自治体の財政に大きな負担を与えている現状が報告されています。運用費増加の要因は、ガバメントクラウド利用料、業務アプリケーション利用料、回線利用料、運用管理費用など多岐に渡り、2026年度予算要求時期(2025年7~9月頃)にはこの問題に関する議論が活発化すると予想されています。デジタル庁の基本方針では運用費削減目標が掲げられていましたが、現実との乖離が浮き彫りになり、自治体から懸念の声が上がっています。

xtech.nikkei.com

「スクショ」の商標登録

GMOペイメントゲートウェイが2015年に「スクショ」の商標登録を済ませていることがXで話題となり、同社が2014年に出願、2015年に許可されたSaaS型決済システム関連の特許について、LINE Payなど各種決済サービスとの連携における特許取得、J-PlatPatを用いた先行事例の不存在確認、決済システムの安全性と利便性向上に資する技術内容、更なる決済技術開発への取り組みなどを説明しています。

www.itmedia.co.jp

VMware ESXi無償版の再提供

VMwareが約1年ぶりにESXiの無償版を再提供することを発表しました。2025年4月10日以降、VMware vSphere Hypervisor 8のサポートが終了し、2024年2月以降はアップデートも提供されなくなるため、vCenterやVMware Host Clientを用いた管理が必要となり、ESXi 7.xまたは8.xへの移行が求められます。今後のサポートとアップデートはBroadcomが提供します。

www.itmedia.co.jp

生成AI市場における価格競争

OpenAIが、高価格帯のGPT-4.5を廃止し、低価格で高性能なGPT-4.1を発表しました。これは、Googleが低価格帯のGeminiシリーズ(Gemini 2.5 Proとさらに低価格なGemini 2.5 Flash)を投入したことに対する価格競争への対応と見られています。GPT-4.1は、従来モデルやGPT-4.5よりも価格が安く、性能も向上しているとのことです。生成AI市場は、この動きにより価格競争が激化している状況です。

xtech.nikkei.com

画像生成AI Midjourney v7

画像生成AI「Midjourney v7」に関する記事で、高速かつ高品質な画像生成、新機能「ドラフトモード」による生成速度の大幅向上、日本語を含む多言語対応、そして今後の開発戦略について解説しています。

ascii.jp

PC Watch関連ニュース

この記事では、Impress Watch傘下の複数のIT系ニュースサイトに掲載されている、PC、デジカメ、家電、スマホ、ゲーム、ASUS、VAIO、ドスパラといったPCメーカー、IIJmio、楽天モバイルといった通信事業者、ドローン、e-bike、中古PCなどに関する幅広いIT関連ニュースをリストアップしています。

pc.watch.impress.co.jp

Rustの同期処理と非同期処理

Rustの同期処理と非同期処理における実装の違いを、具体的な例を用いて解説しています。非同期処理におけるasync/awaitPinUnpinといった概念の説明に加え、tokiosmolといった非同期ランタイムの利用方法や、Webバックエンド開発におけるAxumライブラリの活用例も紹介。さらに、Rustの非同期処理における課題として、複雑な実装や分かりにくいコンパイルエラーメッセージについても言及しています。

blog-dry.com

AI時代のアジャイル組織運営

SmartHRが開催したウェビナーで、スクラム共同考案者のジェフ・サザーランド博士がAI時代におけるアジャイル組織の作り方について講演しました。AIと人間の協働による生産性向上、Scrum@Scaleの重要性、経営層による優先順位決定、技術的負債解消の重要性などが強調され、SmartHRにおけるAI活用、Scrum@Scale導入、アーキテクチャ改善といった取り組みも紹介されています。

tech.smarthr.jp

ChatGPTによるAI画像生成の色調問題

ChatGPTで画像生成時に黄色や茶色、セピア色の画像になりやすい問題が発生しており、世界中で同様の現象が報告されています。これはChatGPTのアップデートで解決予定ですが、時期は未定です。記事では、この問題の原因と、より鮮明で綺麗な色調の画像を生成するための具体的な指示方法を解説しており、適切な指示によって画像の品質を大きく向上できることを示しています。

note.com

エプソン製パソコンの歴史

エプソンが世界初のハンドヘルドコンピュータHC-20から、NECとの訴訟を経て発売されたPC-286シリーズ(Model 1~4とModel 0)、PC-98互換機事業での100万台販売と撤退、そしてダイレクト販売開始と共に人気を博したDOS/VパソコンEndeavor ATシリーズまでの歴史を、ニュースリリースを元に振り返る特集記事です。特にEndeavor ATシリーズ発売時の問い合わせ殺到による回線パンクの様子などが紹介されています。

pc.watch.impress.co.jp

ChatGPTアプリのApp Storeランキングと価格改定

ChatGPTアプリがApp Storeで更新され、ベーシック、プラス、プロの3つの有料プラン(それぞれ月額2.99ドル、8.99ドル、12.99ドル)が導入されました。このアップデートにより、GPT-4モデルの利用が可能になり、バグ修正やパフォーマンス向上も図られています。 OpenAIと中国企業との関係性に関する話題も背景として注目されています。

www.itmedia.co.jp

Slackを活用した問い合わせ対応

QAエンジニアの佐藤さんが、社員増加による問い合わせ対応の非効率化を解決するため、Slackを用いた改善策を導入しました。従来の問い合わせフロー(CS→PdM→開発リーダー)を見直し、Slackチャンネルと明確なワークフロー、担当者を決めることで効率化を図りました。最小限の機能から開始し、運用状況に合わせて担当者自動アサインやステータス管理などの機能を追加することで、段階的に改善を進めています。今後、ユーザーフィードバックに基づいた継続的な改善を予定しています。

techblog.tebiki.co.jp

AI 2027年までの予測

「AI 2027」では、OpenAI、Google DeepMind、AnthropicのCEOらが超人的AI(AGI)が5年以内に到来すると予測しており、今後10年で産業革命を超えるほどの影響を与える可能性と、それが「減速」と「競争」という2つのシナリオで展開される可能性が示されています。2027年までにAIが自身の研究開発を加速させ、特に中国との競争が激化する一方、AIの安全性確保、AIによる雇用代替、国家間の緊張の高まりといった課題も予測されています。

ai-2027.com