Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/04/18 #163 - 今日の技術情報ダイジェスト

CVEプログラムの将来とCVE Foundation

ソフトウェア脆弱性への共通番号付与システムであるCVE(Common Vulnerabilities and Exposures)の運営が、米国政府からの資金提供打ち切りを受け、新たに設立された非営利団体CVE Foundationに移行しました。これにより、CVEプログラムの長期的な安定性と独立性が確保される見込みです。これまでCVEの運営は米国国土安全保障省が資金提供していましたが、その資金提供が更新されなかったため、この移行が必要となりました。CVE Foundationは、世界中のソフトウェア開発者やセキュリティ研究者にとって不可欠な、脆弱性情報の共通基盤の維持・発展に尽力します。

www.publickey1.jp

OpenAI Codex CLI:ターミナルベースのコーディングエージェント

OpenAI Codex CLIは、ターミナル上で動作する軽量なコーディング支援ツールで、ChatGPTと同等の推論能力を持ち、コードの実行やファイル操作を可能にします。セキュリティを確保するためサンドボックス環境で動作し、オープンソースとして公開されているため、コミュニティによる開発への貢献も歓迎されています。APIキーとOS環境さえあればすぐに利用でき、手軽にコーディングを支援してくれるツールです。

github.com

ExcelデータとLLM連携の効率化:JSON活用法

Excelのテスト設計書をLLMで処理する際に、Markdown変換では精度が低かったため、ChatGPTに相談し、JSON化、意味論・記号の定義、分析タスクの明文化といった解決策を得ました。ChatGPTは、完璧なプロンプト作成にはExcel構造のJSON化が不可欠だとし、データ構造と目的に応じてMarkdownとJSONを使い分けるべきだとアドバイスしており、シンプルなデータにはMarkdown、複雑なデータや大量データにはJSONが推奨されると結論付けています。

zenn.dev

AWS東京リージョン障害:主電源と二次電源遮断による大規模障害

4月15日、AWS東京リージョン(apne1-az4)において、主電源と二次電源の両方が遮断されたことが原因で、約1時間にわたる大規模障害が発生しました。この障害により、Amazon EC2をはじめとする複数のAWSサービスが影響を受けました。午後5時43分に復旧しましたが、AWSによる詳細な原因究明と再発防止策については、現時点では発表されていません。

www.publickey1.jp

ChatGPT o3の音楽分析機能:耳コピとコード採譜の可能性

OpenAIがChatGPTの新LLMモデルo3とo4シリーズを公開し、Plus、Pro、Teamユーザー向けに推論能力、Python解析、Web検索、画像生成などの機能を提供開始しました。さらに、オープンソースのプログラミング環境「Codex CLI」も公開され、APIキーが必要となります。注目すべきは、音楽分析機能の搭載で、楽曲の改善点やコード進行の分析、さらには耳コピも可能な点です。ただし、音楽分析機能はまだ不安定な部分も残っています。

www.techno-edge.net

Chrome 136の新機能:閲覧履歴とリンク色の表示変更

Chrome 136から、プライバシー保護強化のため、閲覧履歴があってもリンクの色が同じサイト内でのみ変わるよう変更され、異なるサイトを跨いでのリンクの色変化はなくなります。これは、閲覧履歴を利用したプライバシー侵害攻撃を防ぐ対策で、例えばGoogle検索からWikipediaへアクセスした場合、Wikipedia内のリンクの色は変わりません。ユーザーにとっては使い勝手が変わる可能性がある変更です。

blog.jxck.io

画面仕様書の静的検査による欠陥検出

DeNA Testing Blogの記事では、GUIアプリケーションの画面仕様を機械可読な形式で記述し、静的検査器を実装した事例が紹介されています。この検査器により、担当範囲の15%の画面において約40個の欠陥を発見し、仕様の矛盾や不備の早期検出による開発コスト削減に成功しました。機械可読化によるメリットとして、実装やテストの自動生成、LLM連携による支援などが期待されますが、非プログラマーによる保守の難しさや、プログラマーによる保守のための工数確保が課題として挙げられています。

swet.dena.com

Stable DiffusionのAMD GPU/APU最適化とAmuse 3.0

画像生成AI「Stable Diffusion」がAMDのRadeon GPUとRyzen APU向けに最適化され、最大3.8倍の処理速度向上とメモリ使用量の大幅削減を実現しました。AMDとの連携による最適化で、Hugging Faceにて4つの最適化済みモデルが公開されており、AIアートツール「Amuse 3.0」でその高速化効果を体感できます。

forest.watch.impress.co.jp

無料ウェブサービスの個人情報漏洩リスク:Googleグループの設定ミス

NHKの記事によると、Googleグループにおいて、多くの企業や団体が設定ミスにより、個人情報を含むメールを誤って公開状態にしていたことが判明しました。日本航空の組合員情報や医療機関の患者情報など、様々な個人情報が外部から閲覧可能になっていた事例が報告されており、Googleグループの初期設定が公開であったこと、2013年以降非公開に変更されたにも関わらず多くのユーザーが設定変更に気づかず公開状態を継続していたことが問題となっています。Googleはユーザー自身での設定確認と調整を推奨しています。

www3.nhk.or.jp

AWS東京リージョン障害:主電源と2次電源の遮断

4月15日から5月4日にかけて発生したAWS東京リージョンの大規模障害について、主電源と2次電源の両方が遮断されたことが原因であると発表されました。この障害により、EC2を始めとする複数のAWSサービスが影響を受け、PayPayなど多くの企業のサービスにも支障が出ました。現在AWSは障害復旧に向けた対応を継続しています。

www.itmedia.co.jp

Androidの新たな保護機能:3日間放置後の自動再起動

Google Play開発者サービスのアップデート(v25.14)により、Android端末が3日間ロックされた状態が続くと自動的に再起動する新機能が追加されました。これはセキュリティとプライバシーの強化を目的としており、端末の不正使用を防止する効果が期待されます。このアップデートには、Quick Share機能の改善やデータ移行ユーティリティの追加、バグ修正なども含まれています。

pc.watch.impress.co.jp

サイバーエージェントAI Labの研究者向け技術研修資料公開

サイバーエージェントAI Labは、研究開発力の強化のため、コードレビュー、ライセンス、図解作成などの技術研修を実施し、その研修資料を公開しました。研修内容は事前アンケートに基づき、社内講師が作成し、夏と冬にオフライン研修として実施、社内Wikiにも公開され多くのアクセス数を記録、参加者からは高評価を得ました。課題として、難易度調整や講師のモチベーション管理が挙げられています。

cyberagent.ai

2in1デバイス「ダブルフェース」:キーボードとゲームパッドの合体

エアリア社から5月1日に発売される2in1デバイス「ダブルフェース」は、片面がバックライト付き日本語キーボード、もう片面が連射・振動機能付きゲームパッドという、キーボードとゲームパッドが一体となったデバイスです。Bluetooth接続に対応し、キーボードとゲームパッドはそれぞれ独立して動作可能です。キーボードにはタッチパッドも搭載されています。価格は9,600円前後で、バッテリー駆動時間は使用モードによって異なります。

pc.watch.impress.co.jp

AWSアベイラビリティーゾーン(AZ)の理解と耐障害設計

4月16日、AWS東京リージョンでアベイラビリティーゾーン(AZ)「apne1-az4」を対象とした障害が発生しました。AWSの障害通知におけるAZ名はアカウントごとに物理的な場所が異なり、普段利用しているAZ名と一致しない場合があるため混乱が生じました。AWS内でのAZの物理的な位置を特定するには、アカウント固有の「AZ ID」を用いることが重要であり、特にマルチアカウント環境においては、AZ IDの理解がシステムの耐障害性設計に不可欠であることを解説しています。

zenn.dev

LINE AI:LINEサービスと連携した生成AI

LINEが開発した大規模言語モデル「LINE AI」が発表され、画像生成や自動返信など、既存のLINEサービスと連携したAI機能が追加されたことを紹介しています。ChatGPTのような生成AIですが、ユーザーデータのプライバシー保護を重視した設計となっており、今後機能拡張や他サービスへの展開も予定されています。

www.itmedia.co.jp

Googleのプロンプトエンジニアリング白書:LLMとの対話最適化ガイド

Googleが、大規模言語モデル(LLM)と効果的に対話するためのプロンプトエンジニアリングに関する69ページの白書を公開しました。この白書では、ゼロショット、ワンショット、フューショットプロンプティングといった様々なプロンプティング手法を解説しており、明確で簡潔なプロンプト設計の重要性を強調することで、LLMからの出力品質向上を目指しています。 AI技術の普及と標準化に貢献する可能性のある、LLM活用のための包括的なガイドとなっています。

innovatopia.jp

CVEの独立性確保:CVE Foundationの設立

トランプ政権による支援打ち切りで存続が危ぶまれていた共通脆弱性識別子(CVE)の管理について、米国政府機関MITREからの支援が打ち切られたことに伴い、世界中で利用されている脆弱性識別子CVEの管理体制が政府依存から脱却するため、「CVE Foundation」という財団が設立されました。これにより、CVEの管理の中立性と持続可能性が確保され、今後、財団の運営体制や移行計画の詳細が公開される予定です。

forest.watch.impress.co.jp

Microsoft Copilot Studioの自動操作機能:computer use

MicrosoftがAIツール「Copilot Studio」に、Windows上で動作するあらゆるGUIアプリを自然言語で操作できる新機能「computer use」を追加しました。プログラミング不要で、ボタンクリックやデータ入力といった操作を自動化でき、Microsoftのサーバー上で実行されるため、企業は独自のサーバー管理を行う必要がありません。5月開催のMicrosoft Buildで詳細が発表される予定です。

gigazine.net

Figmaデザインの自動HTML/CSS変換:Figma Context MCPとRoo Code

GMOインターネットグループグループ研究開発本部が、FigmaのデザインをHTML/CSSコードに自動変換する新手法を紹介しています。Figma Context MCPとRoo Codeという2つのツールを組み合わせることで、Figmaのデザイン情報をRoo Codeが処理可能な形式に変換し、AIを用いてHTML/CSSコードを生成、VS Codeに挿入するワークフローを実現しました。これにより、デザインとコードの一致度が高まり、開発効率の大幅な向上に繋がります。

recruit.gmo.jp

AIファースト開発とDevOpsの進化:Smat社のDevin導入事例

Smat社がAIソフトウェアエンジニア「Devin」を導入し、開発速度が3倍以上に向上した事例を紹介。自動化による開発速度の向上だけでなく、AI活用のための環境整備(ドキュメント整備、ルール策定など)の重要性や、開発効率向上によって生まれた余力の技術的負債解消やインナーソース活動への再投資といったDevOpsの進化について解説しています。AI活用におけるボトルネックとして「何を作るか」の意思決定が挙げられており、今後の課題として既存コードへのAI適用とAIモデルの進化への期待が示されています。

speakerdeck.com

Figma-MCPとcursorによるフロントエンド開発高速化実験

アスエネ社のエンジニアが、FigmaとAIアシスタント「cursor」を用いたフロントエンド開発高速化実験を行い、Figma-MCPとcursorのルールを活用してFigmaデザインからログイン画面を自動生成する試みを行いました。初期段階ではデザインと生成コードに差異がありましたが、cursorのルールを整備することで精度が向上し、デザイン再現度を高めることに成功しました。その過程ではAIの思考プロセスを理解することが重要であり、試行錯誤を経てルールを洗練させていきました。結果として、Figma-MCPは使い捨てのランディングページ制作には有効ですが、実務への適用には綿密なルール整備が不可欠であるという結論に至りました。

zenn.dev

サイバーエージェントAI LabのAI研究者向け研修資料公開

サイバーエージェントがAI研究者向け研修資料を無料で公開しました。Python、VSCode、論文の書き方といった基礎から、Google CloudのIAMやAdmin機能、コンテナ技術、AIモデルの開発・評価・反論のプロセス、1000件以上のAIモデル開発事例、外部機関との協業事例まで網羅した内容となっています。

www.itmedia.co.jp

OpenAIの新しいAIモデルo3とo4-mini:推論特化と視覚機能強化

OpenAIが、推論に特化した新しいAIモデル「o3」と「o4-mini」を発表しました。「o4-mini」はGPT-4の小型版で、GPT-4と同等の性能をより低コストで実現しています。ChatGPT有料版で利用可能で、GPT-3を上回る精度を様々なタスクで示し、AIの画像認識能力も向上しています。OpenAIは複数のモデルを様々なプランで提供しており、コストと性能のバランスを考慮した選択が可能となっています。

www.itmedia.co.jp

Windows 11 Snipping Toolのアップデート:OCR機能追加

Windows 11のスクリーンショットツール「Snipping Tool」がアップデートされ、キャプチャーバーにテキスト抽出ボタンが追加されました。このボタンを押すと、OCR機能「テキスト アクション」が起動し、画像からテキストを抽出してクリップボードにコピーできます。現在はInsider ProgramのCanary/Devチャネルでテストされており、将来的に正式版への導入が予定されています。

forest.watch.impress.co.jp

GeForce RTX 5060 Tiのベンチマークテスト:ゲームとAI性能評価

GeForce RTX 5060 TiとRTX 5070のベンチマーク結果を比較したレビュー記事です。3DMark、ゲーム、AI関連ベンチマーク、画像編集ソフトを用いたテストで、RTX 5060 TiはRTX 5070に比べほぼ全ての項目で約20~30%低い性能を示しました。VRAM容量は5060 Tiが16GBと5070より大きいものの、性能差は明確に表れており、DLSSによるフレームレート向上効果は両GPUでほぼ同等でした。

pc.watch.impress.co.jp

逆転裁判を用いたAI推論能力テスト:OpenAI、Google、Anthropic、Metaモデルの比較

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、ゲーム「逆転裁判」を用いてOpenAIのo1、GoogleのGemini 2.5 Pro、AnthropicのClaude 3.7 Sonnet、MetaのLlama-4 Maverickの4つのAIモデルの推論能力を比較検証しました。証拠参照、矛盾発見、戦略的思考など多角的な推論能力を評価した結果、OpenAIのo1が最も長くゲームをプレイしましたが、GoogleのGemini 2.5 Proがコストパフォーマンスにおいて優位であると結論付けられています。実験結果のデータはHugging Faceで公開されています。

gigazine.net

ガートナー提言:超時短システム開発法と3ステップ

ビジネス+ITの記事で、ガートナーが提言するシステム開発の超時短化を実現する3ステップが解説されています。AIや業務効率化、ブロックチェーンといったITトレンドも網羅し、特にプロダクト型開発への移行とそのメリット、具体的な3ステップをガートナーの専門家が解説しており、無料会員登録で記事全文閲覧やセミナー参加などの特典が利用できます。

www.sbbit.jp

マイクロソフト、日本におけるAzure可用性ゾーンの拡張

マイクロソフトは、西日本リージョンにAzure可用性ゾーンを提供開始し、日本のクラウド基盤の耐障害性と高性能化を強化しました。これにより、独立したインフラによるハードウェア・災害リスクからの保護、災害時における事業継続性の維持、AI活用促進、低遅延接続との連携といった効果が期待でき、2023年2月からのデータセンター増設と相まって、日本の顧客に信頼性と効率性の高いクラウドサービスを提供します。

news.microsoft.com

OpenAIの新しいLLMモデルGPT-4.1:ChatGPTの性能向上

OpenAIが、ChatGPT有料ユーザー向けに新たなAIモデル「o3」と「o4-mini」を提供開始しました。これらのモデルは、大規模言語モデル(LLM)「GPT-4」の改良版である「GPT-4.1」をベースに開発されており、通常版、mini版、nano版の3種類が存在します。GPT-4.1は、以前のモデルよりも精度と効率が向上しており、ChatGPTの性能向上に貢献しています。APIでの利用も可能です。OpenAIは今後、GPT-4.5などの更なる改良版もリリース予定とのことです。

www.itmedia.co.jp

ChatGPTの大幅アップデート:画像解析とグラフ作成機能追加

OpenAIがChatGPTを大幅アップデートし、新モデル「o3」と「4o-mini」をリリースしました。「o3」は従来モデルと比較して性能が大幅に向上しており、画像解析やウェブ検索機能が追加されたほか、エージェントとして訓練されているため、ユーザーの指示に基づいて複雑なタスクを実行できます。グラフ作成やブログ下書き作成など、高度なアウトプットも可能になり、ChatGPT Plus/Pro/Teamユーザーはすぐに利用できます。

www.gizmodo.jp