Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/03/17 #131 - 今日の技術情報ダイジェスト

Claude DesktopとMCPを用いたAPI非依存開発

高額なClaude Proとデスクトップアプリを用いて、APIクレジット消費を回避しつつ、Model Context Protocol(MCP)サーバーとTypeScriptによる独自開発環境構築を行い、Web検索、ファイル編集、Git操作、シェル操作といった機能を実装した事例を紹介しています。VSCodeとClaude Desktopの連携を通して、従量課金によるコスト高騰を避け、コード理解を深める開発体験を実現した点、他サービスとの比較に基づいたClaude Proのメリット・デメリット分析も含まれています。

zenn.dev

ローカルLLMの進化と活用

GoogleのGemma 3やAlibabaのQwQといった、軽量ながら高性能なローカルLLMが注目を集めています。これらのモデルは、270億パラメータ程度と比較的小規模ながら、6710億パラメータの巨大モデルに匹敵する性能を実現しており、量子化技術によって一般的なPCでも実用レベルでの利用が可能になっています。画像認識やコード生成など、幅広いタスクに対応できるようになってきており、完璧ではないものの、急速な発展を遂げていることから、今後のローカルLLMの進化に期待が高まっています。

nowokay.hatenablog.com

Model Context Protocol(MCP)の概要と実践

ModelContextProtocol(MCP)の概要と、TypeScriptとBunを用いたMCPサーバーの作成方法、CursorなどのツールへのMCPサーバー登録方法について解説したチュートリアル記事です。MCPはAIモデルが様々なツール(Figma API連携、Googleドキュメントなど)を利用するための標準化されたルールで、Function Callingとは異なり、特定のAIモデルに依存せず、ツールとAIモデルを標準化されたプロトコルで接続できます。初歩的な内容から、より踏み込んだ内容まで網羅しています。

zenn.dev

Windowsにおけるインターネット接続状態の確認方法

Windowsのシステムトレイのネットワーク接続アイコンは、Microsoftのサイトへのアクセス試行(アクティブ・プローブ)とネットワークトラフィック監視(パッシブ・プローブ)によってインターネット接続状態(インターネット接続不可、インターネット有線接続、インターネット無線接続)を判定しており、IPv4とIPv6両方のアドレスを用いて特定のテキストファイルのダウンロードを試み、プロキシサーバーやWi-Fi接続時の認証ページ(キャプティブポータル)も検出します。

ascii.jp

無料技術スタックを用いた個人開発

Next.jsをフロントエンド・バックエンド両方に使用し、データベースにSupabase/Cloudflare D1、ORMにDrizzleを採用することで、1円もコストをかけずにWebアプリを開発できる技術スタックを紹介しています。バックエンド処理はNext.jsで簡素化でき、Cloudflare Pagesによるフロントエンドとバックエンドの統合デプロイ、Supabase Authによる認証、さらにCloudflare KVの利用も検討できる点を解説しています。無料プランの利用も可能です。

zenn.dev

AWS CLI/SDKにおける安全なアクセス設定

AWSへのアクセスを安全に管理する方法について解説した記事で、AWS OrganizationsとIAM Identity Centerを利用する場合はIICユーザー経由でのAssume Role、利用できない場合は個人用IAMユーザーからのAssume Roleを用いたアクセスを推奨しており、いずれの場合もMFA認証を必須とすることでセキュリティを強化する方法を紹介。さらに、アクセス効率化のためAWSumeなどのツール活用も提案しています。

qiita.com

SSRにおける認証方法

本記事は、Next.jsなどのSSR(サーバーサイドレンダリング)を既存システムに導入する際に直面する認証機能の維持に関する課題と、メドレー、ZOZO、GMOペパボといった企業の事例を元に、その解決策を解説しています。CSR(クライアントサイドレンダリング)とSSRでは認証方法が異なり、CSRではJavaScriptによるトークン送信と柔軟な保管場所が許容される一方、SSRではCookieのみが利用可能で送信タイミングも制限されるため、移行が難しい点に触れています。具体的には、Cookieの同期や転送といった解決策が紹介され、Redis、Auth0/Cognito、サブドメインCookieといった技術の活用例も示されています。SSRにおける認証の基本はCookieであり比較的容易ですが、ドメインやホストの分離といった考慮事項も重要であると述べ、HotwireやReact Router v7といった代替手段についても言及しています。

zenn.dev

2025年のキャリアアドバイス

2010~2020年代に昇進した管理職は、近年求められる詳細な作業や迅速な対応、LLM/基礎モデルへの対応といったスキルに課題を感じており、従来重視されていたチームビルディング能力などは現在の市場価値が低下しています。基礎モデル/LLMの台頭により企業は苦境に立たされ、ソフトウェア開発手法も変化しているため、対応が遅れるとスキルが陳腐化しキャリアリスクが高まります。AI関連企業への転職は選択肢の一つですが、高い競争率、リスク、そしてハードワークが伴います。

lethain.com

Google Geminiの無料提供開始

GoogleのAI「Gemini」がアップデートされ、主要機能である徹底調査を実行するエージェント機能「Deep Research」と、個々のニーズに合わせたAIエキスパートを作成可能な「Gems」が無料提供されるようになりました。さらに、ユーザーの検索履歴と連携して回答精度を向上させる機能も追加されています。

japan.zdnet.com

コンピュータストレージの進化とレイテンシ

コンピュータのストレージデバイスの進化、特に磁気テープからHDD、SSDへの移り変わりと、それぞれの速度と待ち時間(レイテンシ)の違いを解説し、クラウド環境におけるストレージとコンピューティングの分離、ネットワーク接続ストレージの遅延やIOPS制限の問題点を指摘、それらを解決するPlanetScaleのMetalサービス(直接接続NVMe SSDを用いた高性能・高耐久性データベースソリューション)を紹介しています。Metalは高性能、スケーラビリティ、無制限のIOPSを提供し、クラウドプロバイダーのIOPS制限によるパフォーマンス低下を回避します。

planetscale.com

はてブ記事をPodcast配信するシステム開発

中坂雄平氏が、自身のブックマーク(はてなブックマークとX)から記事を取得し、要約、音声化、Podcast配信までを自動化するシステムを開発しました。AIコーディングエージェント(Cline+Claude)を活用することで短期間での開発を実現しており、はてブ記事の取得からPodcast配信、さらにWebサイトの構築までを自動化しています。音声品質の向上には時間を要し、現状では人間による調整が必要な部分も残っていますが、ローカル環境での運用を経て、今後の機能拡張やテスト実装が検討されています。

zenn.dev

TypeScriptによるMCPサーバー実装とClaude Desktop連携

TypeScriptを用いて、大規模言語モデル(LLM)が外部ツールと連携するためのプロトコルであるMCP(Model Collaboration Protocol)サーバーを実装し、Claude Desktopからそのサーバーを利用する方法について解説しています。Function Callingよりも標準化が進み、複数のツールとの連携が容易になったMCPサーバーは、LLMによる外部ツール利用、コード実行、データ保存などを可能にします。Googleを始めとする多くのサービスがMCPサーバーを提供しており、活況を呈している現状も踏まえ、具体的な実装方法やClaude Desktopとの連携について詳細に説明しています。

azukiazusa.dev

三井物産の国内大規模データセンターへの出資

三井物産が、生成AIやクラウド需要の高まりに対応するため、国内の大規模データセンターに180億円を出資し、株式の50%を取得しました。現在、関西と関東に2施設を稼働しており、今後3施設の追加を予定しています。千葉県にあるデータセンターも三井物産が管理しており、国内外の機関投資家と連携して2030年までにデータセンター資産規模を1兆円に拡大する計画です。

www.nikkei.com

1万円のポケットサイズコンピューターPicoCalc kit

Clockwork社から、Raspberry Pi Pico互換のポケットサイズコンピュータ「PicoCalc kit」が発売されました。レトロSF風デザインの組み立て式で、4インチディスプレイ、SDカードスロット、USB Type-Cポートを搭載し、プログラミングやArduino開発が可能です。価格は75ドル(約1万円)で、バッテリーは別売りです。

daily-gadget.net

iPhone 16eにおけるBluetooth接続問題

2025年2月28日発売のiPhone 16eにおいて、Bluetooth接続したオーディオ機器から音声が途切れるという問題が多数報告されています。Bluetoothスピーカーやイヤホンを使用中に断続的に音声が途切れる現象で、Apple公式サポートフォーラムにも同様の報告が寄せられており、iOS 18のバグもしくはiPhone 16eの初期不良が原因として疑われています。多くのユーザーが同じ問題を抱えていることから、広範囲に影響する可能性のある深刻な不具合であると考えられます。

gigazine.net

エンジニアのための図解コミュニケーション

エンジニアが図解を用いたコミュニケーションを効果的に行うための技術を解説しており、オンラインホワイトボードツールやホワイトボード、ノートなどの活用方法、構造化・視覚的階層・シンプル化といった効果的な図解作成のポイント、前提条件の可視化や比較図解による認識ギャップ解消、そして具体的な活用事例を紹介しています。

qiita.com

AIプロンプトを用いたAWS設計自動生成

AIプロンプトを用いたAWS設計自動生成システムについて解説しており、構造化された出力フォーマット、具体的なパラメータ、選定理由、代替案比較、AWS Well-Architected Framework準拠を特徴とする設計書を生成します。健康データ管理システムを例に、CloudFront、ALB、ECS、RDS、S3などAWSリソースの構成と選定理由を示し、高可用性、セキュリティ、スケーラビリティ、コスト最適化を考慮した設計と、CI/CDパイプライン、IaC(Infrastructure as Code)による自動化も提案しています。

zenn.dev

Zoom会議の自動文字起こしによる議事録作成システム

Zoom会議の自動文字起こしを行い、生成AIを用いて議事録を要約し、Notionに出力するシステムの構築事例を紹介しています。Zoom Webhook、生成AI、Notion APIなどを活用することで、議事録作成の手間を大幅に削減し、業務効率化を実現しています。作成された議事録はタイムスタンプ付きで正確な内容と要約を含み、今後の展望として精度の向上、連携ツールの拡大、検索機能の強化が挙げられています。具体的なプロンプトも公開されています。

zenn.dev

OBS用無料プラグインFlip Clockの紹介

OBS Studio用の無料プラグイン「Flip Clock」は、パタパタ時計、カウントダウンタイマー、ストップウォッチを配信画面に簡単に表示できるツールで、Windows 64bit環境に対応し、GitHubからインストーラーをダウンロードできます。時刻表示は24時間/12時間表示、秒表示の有無を選択可能で、ストップウォッチとタイマーはシンプルな機能を提供します。高度な機能は搭載されていません。

gigazine.net

AMD秋葉原新製品発表イベント

AMDが秋葉原で開催した新製品発表イベントでは、Ryzen 9 9000X3DシリーズとRadeon RX 9070シリーズが発表され、AMD本社スタッフによる新製品の特徴解説、3D V-Cache技術やRDNA 4アーキテクチャの紹介、コストパフォーマンスの高さが強調されました。イベントでは在庫切れの可能性が指摘されましたが、「売れることに慣れてないので……」という発言で参加者らは納得したとのことです。

ascii.jp

RailsにおけるCQRS/ES実装

Railsを用いたCQRS/ES(コマンドクエリ責務分離/イベントソーシング)の実装経験に基づき、イベントソーシングによる履歴保持のメリット(状態再現やバグ特定の容易さ)や、Rails Event Store gemの活用方法、導入前のCQRS/ESの理解の重要性、初心者は同期処理のスクリプトから始めるべきこと、ActiveRecordとPostgreSQL/MySQLの活用、非同期処理の回避などが解説されています。

speakerdeck.com

ノード埋め込み手法DeepWalkとnode2vec

jiku logの記事「データのつながりを活かす技術」第5章ノード埋め込み②DeepWalk・node2vecでは、ネットワーク構造を分析するノード埋め込み手法であるnode2vecについて解説しています。node2vecは既存手法であるDeepWalkの問題点を解決し、局所的な関係と大域的な関係を柔軟に学習できるよう、幅優先探索と深さ優先探索を組み合わせたランダムウォークを用いており、パラメータpとqで探索の偏りを制御することで、リンク予測やコミュニティ検出など様々なタスクへの適用が可能となっています。

stern-bow.hatenablog.com

JavaScriptリンターOxlintのベータ版リリース

Oxlintのベータ版がリリースされました。ESLintに代わる高速なリンターで、中小規模プロジェクトでの利用を想定しており、500以上のルールを内蔵し、パフォーマンスはESLintと比較して最大50%向上しています。今後、カスタムESLintプラグインのサポートやIDE統合の強化が予定されており、200名以上の貢献者によって開発されています。

oxc.rs

サイバーセキュリティキャリアにおける自己認識

サイバーセキュリティエンジニアのキャリアにおける不安定さ、スキルや知識の客観的な評価の難しさ、資格取得以外の重要な能力(問題解決能力や継続的な学習姿勢)について論じています。また、サイバーセキュリティ分野の仕事の広さ、スペシャリストとジェネラリストのキャリアパス、自身のスキルや業界での立ち位置を見直すことの重要性も解説しています。

note.com

医療機関におけるサイバーセキュリティ対策強化

厚生労働省は、医療機関へのサイバー攻撃増加を受け、セキュリティ対策強化を推進しており、2025年度版サイバーセキュリティチェックリストを公表し、自主点検と立入検査を実施します。チェックリストには、パスワード管理、USB接続制限、2要素認証、院内規定整備、BCP(事業継続計画)策定などが追加され、診療報酬改定でセキュリティ対策強化への支援も行われます。

gemmed.ghc-j.com

Amazon Aurora R8gデータベースインスタンスのリージョン拡大

Amazon AuroraがGraviton4ベースのR8gデータベースインスタンスを欧州とアジア太平洋地域の複数リージョンで提供開始しました。最大48xlargeサイズで、メモリとvCPUの比率は8:1、DDR5メモリを搭載し、Graviton3と比べて最大40%のパフォーマンス向上と最大29%のコストパフォーマンス向上を実現しています。192 vCPU、最大50Gbpsのネットワーク帯域幅、最大40GbpsのEBS帯域幅を提供し、RDSマネジメントコンソールまたはAWS CLIから利用可能です。

aws.amazon.com

Oracle Cloud InfrastructureのAlways Freeサービスによる無料Linuxサーバー利用

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のAlways Freeサービスを利用することで、CPU4コア、RAM24GB、ストレージ200GBのUbuntuサーバーを永続的に無料で利用できる方法を紹介しています。AWSやGCPと異なり期間制限がなく、アカウント登録にはクレジットカード情報が必要ですが、少額の検証決済後返金されます。インスタンス作成はコンピュート→インスタンス→インスタンスの作成と進め、必要な情報を選択するだけで完了します。リソース不足エラー発生時は、可用性ドメインの変更や時間をおいて再試行することで解決できる可能性があります。

qiita.com

Railsビューテンプレートエンジンのベンチマーク

Ruby on Railsで利用可能なビューテンプレートエンジンerb、haml、slim、Phlexについて、2025年現在の速度を比較したベンチマーク結果と、5年前の結果との比較が掲載されています。ベンチマークの結果、erubiとhamlがslimよりもわずかに高速であることが示され、速度を目的としていないPhlexは予想通りの結果となりました。また、誰でも検証可能なようにベンチマークコードが公開されています。

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