Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/03/04 #118 - 今日の技術情報ダイジェスト

自作10Gbpsルータ構築

自宅のフレッツ光クロス回線を利用し、高価なRTX1300の代わりにLenovo ThinkCentre M720qをベースに10Gbps対応NIC(Intel X520-DA2)を搭載したOpenWRT搭載の低コスト10Gbpsルータを自作した事例を紹介しており、OpenWRTのインストール、ネットワーク設定、MAP-E設定、Cloudflare Tunnelを用いた安全な自宅サーバー公開、IPv6/IPv4接続確認、速度テストの結果などが詳細に記述されています。

qiita.com

拡散言語モデルMercury

Inception社が開発した新たな拡散言語モデル「Mercury」は、Transformerとは異なるアプローチで文章全体を一括処理することで驚異的な速度を実現し、正確なプログラム生成も可能としています。これは画像生成分野で成功している拡散モデルの技術を言語モデルに応用したもので、従来のTransformerモデルに比べて高速かつ高精度な処理が期待できます。将来的には、拡散モデルとTransformerモデルを組み合わせたハイブリッドモデルが登場する可能性も示唆されています。

note.com

AIコーディングアシスタントCline

VSCode上で動作するAIコーディングアシスタントClineについて解説します。ClineはClaudeなどのAIアシスタントと連携し、コード生成やバグ修正、ターミナル操作といった作業を自動化します。内部では、システムプロンプトと環境情報に基づきAIがツールを指示し、Clineが実行するというループを繰り返す仕組みです。セキュリティリスクも存在するため、ツールの自動承認設定は慎重に行う必要があり、.clinerulesの設定、明確な指示、タスクの分解、適切な自動承認設定がClineを効果的に活用するための重要なポイントとなります。

zenn.dev

ReactとRuby on Railsの統合

ReactチームがCreate React Appを非推奨としたことを受け、ReactとRails 8を統合する新たな方法が提案されています。この方法では、React Router v7のSPAモードを採用し、ERBファイルを使用せず、Railsコントローラ経由でビルド済みReactアプリケーションを配信することで、SPA開発の効率化と、従来のライブラリ的なReact利用からの脱却を目指しています。 GitHubにてデモアプリとソースコードが公開されており、Kamalによるデプロイ方法も紹介されています。

zenn.dev

Android端末内写真スキャン問題

アップルが写真スキャン機能でランドマーク照合を秘密裏に行っていたことが発覚し、批判を浴びていることを受け、グーグルも同様の機能「SafetyCore」をAndroid端末に予告なく導入していたことが明らかになりました。SafetyCoreは端末内の画像をスキャンし、児童性的虐待コンテンツなどを検出する機能とされていますが、ユーザーへの事前の説明や同意取得が不十分だった点が問題視されています。両社とも技術そのものの安全性には問題がないものの、ユーザーのプライバシー保護と透明性確保の観点から、情報開示や同意取得のプロセスにおける説明責任を果たしていない点が大きな批判の的となっています。

news.yahoo.co.jp

サイバーセキュリティ対策の国産ソフト優先調達

政府は経済安全保障強化のため、サイバーセキュリティ対策として国産ソフトウェアの優先調達を決定し、海外依存からの脱却を目指して国産ソフト開発の補助や人材育成などを推進します。現状、対策製品の国内シェアは約4割(2021年時点)と低く、特に最新製品では1割以下にとどまっているため、経済産業省は「サイバーセキュリティ産業振興戦略」を策定し、国内産業の育成と経済安全保障の強化を目指します。

www.nikkei.com

ECサイトのクレジットカード情報大量漏洩

2024年に発覚した22のECサイトにおけるクレジットカード情報漏洩事件では、3年近くに渡り改ざんに気付かず、大量の顧客情報が流出していました。長期間に渡る情報漏洩の原因は、ECサイト側のセキュリティ対策の不備による改ざんへの気づきの遅れと放置にあり、2023年と比較して、3年近くの情報漏洩が大幅に増加していることが問題視されています。攻撃者は、一度に大量の情報を悪用する可能性が高く、今回の事件のように長期間に渡る情報漏洩は、被害の深刻さを増大させる要因となっています。

xtech.nikkei.com

Vimコマンドの省略形クイズ

VimのEXコマンドの意外な省略形10個(abbrev, badd, close, colder, c, catch, debug, sunhide, menu, wqallなど)を紹介する記事です。使用頻度が低いコマンドの面白い省略形を解説しており、各コマンドの機能と省略形、そしてVimの内部動作や歴史の一端についても触れられています。

zenn.dev

イーロン・マスクとDOGEコインに関する分析

ゼイナップ・トゥフェックチーとローレンス・レッシグは、イーロン・マスクがドージコインに関与することで国家システムの脆弱性を巧妙に利用している可能性を指摘し、政府システムにおける管理権限の集中がリスクを高めていると警鐘を鳴らしています。ドージコインは本来効率的な政府運営を理想とするものの、現状では少数の利益に繋がっている点を問題視しており、マスクの行動は高い能力を持つ一方で、悪用されれば大きな危険性を孕んでいると結論づけています。

yamdas.hatenablog.com

Obsidianと生成AI連携

Obsidianと生成AI(ClaudeのMCP、CursorのCline、Copilot Plus)の連携を試した結果がまとめられています。各生成AIの設定方法は比較的容易で、生成AI自身に尋ねれば設定できるものの、Web検索機能は必要だと感じた場面もあったようです。Claudeは柔軟で正確な情報抽出と編集が可能ですが、Propertiesタグ検索がうまくいかない点が課題として挙げられています。Clineは多様なAPIとモデルに対応できる反面、Claudeと比較して精度が劣る場面もあったとのことです。Copilot Plusは設定が簡単ですが、現時点では機能が限定的で、今後の機能拡張が期待されています。

dlit.hatenadiary.com

Amazon Alexa+の可能性

アマゾンが生成AIを搭載した音声アシスタント「Alexa+」を発表しました。既存のAlexaを生成AIで全面的に刷新し、他社サービスとの連携強化やウェブ情報活用による多様なタスク実行が特徴です。Amazonエコシステムとのシームレスな連携が強みで、スマートホーム機器においては音声中心からディスプレイ付きが主流になる可能性や、スマートスピーカーがスマートディスプレイへと進化していくと予想されています。

www.watch.impress.co.jp

Claude 3.7 Sonnetを用いたWebアプリ開発

Qiitaの記事では、Web開発の初心者である著者が、Claude 3.7 Sonnetを用いて鶴見駅バスの発車時刻確認アプリを半日で開発・リリースした過程が紹介されています。Google App ScriptとClaudeの拡張思考モードを活用し、要件定義からデプロイまでコード生成やデバッグをClaudeに依頼することで実現しました。時刻表データのJSON化が最大の課題でしたが、MVP(Minimum Viable Product)を意識したシンプルなアプリを完成させました。

qiita.com

GitHub非公開リポジトリのCopilot経由公開問題

イスラエルのセキュリティ企業Lassoの調査により、MicrosoftのAIアシスタントCopilotを通じて、GitHub上で非公開設定にされていた2万件以上のリポジトリへのアクセスが確認されました。これは、CopilotがBingのキャッシュに残っていた過去に公開されたリポジトリデータにアクセスできたことが原因で、Microsoftは問題を軽視していたものの、完全に解決されていないと指摘されています。一度公開されたデータは常に情報漏洩のリスクにさらされるという警鐘が、この事例を通して改めて提示されました。

gigazine.net

LLMを用いたコーディング研修

エクスプラザ社がエンジニアに対し、1週間のコーディング禁止令を発令し、その期間はLLMを用いたコーディングを強制的に行わせる研修を実施しました。この研修の目的はAI活用スキル向上と開発速度の向上であり、AIが生成したコードの修正は原則禁止、コピペは許可されています。評価は定量的なものではなく、AIとの協働スキルの習得に重点が置かれています。

note.com

GoogleのAGI開発と従業員勤務時間

Google創業者のセルゲイ・ブリン氏が、汎用人工知能(AGI)開発のため、Google DeepMindのエンジニアに週60時間勤務を要請したと報じられています。これは開発スピード向上と競争優位性の確保が目的で、ブリン氏は週60時間を生産性の「スイートスポット」と位置づけ、それ未満の勤務時間は非生産的だと主張しています。具体的な指示としては、シンプルなソリューションと迅速な開発、不要なプロジェクトの放棄などが挙げられており、現状の週3日出社ポリシーに変更はないとのことです。

gigazine.net

伊予銀行の勘定系システム開発中止とメインフレーム更改

伊予銀行が日立製作所と開発していた次期勘定系システムの開発を老朽化と人材確保の困難さから中止し、現行システムの基盤であるIBMメインフレームを更改することを決定しました。これにより、次期システム開発に必要な時間を確保し、原因分析と今後のシステム方針の再検討を行う予定です。

xtech.nikkei.com

TypeScript高度な型活用テクニック

TypeScriptの高度な型活用テクニックを実践的に解説した記事で、ユニオン型やインターセクション型などの基礎知識を前提に、型の網羅性検証、条件分岐、動的なプロパティ絞り込みといった高度な技法を具体的なコード例と共に紹介しています。conditional typesmapped typesinferキーワードを使った高度な型定義方法や、関数の引数を動的に変化させる方法、ユーザ定義型ガードによる型推論の制御方法なども網羅しており、実務で役立つTypeScriptの型活用スキル向上を目指した内容となっています。

zenn.dev

テックブログ運営1年間の成果

ファインディ社は、エンジニア組織の技術広報と採用促進を目的としてテックブログを1年間運営し、80記事以上の公開と28万人を超えるアクセスを実現しました。その成果として、チーム間の連携強化、応募者への理解促進、社内ナレッジ共有の改善に貢献しており、今後は生成AI活用事例や組織マネジメント、英語記事発信にも挑戦する予定です。

tech.findy.co.jp

東京科学大学病院の医療情報システム障害

東京科学大学病院(旧東京医科歯科大学病院)は、富士通から日本IBMへの医療情報システム更新に伴い、外来診療や入院手続きなど病院業務全般に大規模なシステム障害が発生し、業務に遅延が生じています。約66億円をかけて行われたシステム更改後、原因調査中ですが、病院規模の大きさやベンダー変更が影響している可能性が指摘されており、NHKシステム開発訴訟事例なども参考に、発注者とベンダー間の責任が問われる見込みです。

biz-journal.jp

NECのPCに関するニュースリリース

25周年を迎えたパソコン業界コラム「パソコン業界 東奔西走」の番外編として、1970年代以降のNECのPCに関する貴重なニュースリリースを全文掲載しています。NECの初期のマイコン「TK-80BS」「COMPO BS/80」、PC-8001、PC-9800シリーズといった、日本のPC業界史に残る製品のリリース情報が、各社広報部門の協力による倉庫内資料の発掘を通して公開されています。

pc.watch.impress.co.jp

IBMによるHashiCorp買収完了

IBMがマルチクラウド対応ツールを提供するHashiCorpを買収完了したと発表しました。HashiCorpはTerraformなどのインフラ構築・管理ツールで知られており、この買収によりIBMはクラウドインフラ製品ポートフォリオを強化し、Red Hat OpenShiftやAnsibleとの連携強化による相乗効果も期待できます。IBMはHashiCorpの技術をあらゆるデータセンターに導入していく予定です。

www.publickey1.jp

SmartHR入社とソフトウェアエンジニア復帰

SmartHRへのプロダクトエンジニア入社と、約9年ぶりのソフトウェアエンジニア職復帰についての記事です。著者は以前はセールスエンジニアやカスタマーサクセスエンジニアとして顧客対応に携わっており、コンテナ技術、Ruby on Rails最新版、AI活用開発などに不安を感じながらも、関連書籍を読み、技術スキル向上に励んでいると述べています。

blog.a-know.me

ThinkPad X13の軽量化

LenovoがThinkPad X13 Gen 6を発表し、従来モデルより187g軽量化された933gを実現しました。13.3型ディスプレイを搭載し、CPUにはCore Ultraシリーズ2またはRyzen AI PRO 300を搭載しています。バッテリーはユーザー交換可能なCRUタイプです。また、ThinkPad Tシリーズ初となる2in1モデル「ThinkPad T14s 2-in-1」に加え、ThinkPad T14s Gen 6、T14 Gen 6、T16 Gen 4もCPUをアップデートしたモデルが発表されました。

pc.watch.impress.co.jp

AI処理高速化ファイルシステム3FSのオープンソース化

DeepSeek社が開発したAI処理高速化のための並列ファイルシステム「3FS」がオープンソース化されました。3FSはSSDと高速ネットワークを活用し、ランダム読み取り速度を重視した設計で、読み取りキャッシュをほぼ無視することでAI学習の効率を向上させています。DeepSeek社の実験では毎秒数テラバイトのデータ読み取り速度を達成しており、そのソースコードはGitHubで公開され、誰でも利用可能です。

gigazine.net

Skypeサービス終了とMicrosoft Teamsへの移行

2025年5月に個人向けSkype無料・有料版のサービスが終了し、Microsoft Teams Freeへの移行が推奨されます。Teams FreeはSkypeの主要機能を網羅しており、移行も容易です。Skypeのデータは2026年1月まで保存されますが、重要なデータは早めにTeamsへ移行することを推奨します。ただし、Teams FreeではSkypeの全ての機能が利用できるわけではなく、電話通話機能などは利用できません。

forest.watch.impress.co.jp

Japan Wi-Fi auto-connectのOpenRoaming対応

NTTブロードバンドプラットフォーム(NTT BP)のフリーWi-Fi接続アプリ「Japan Wi-Fi auto-connect」が、国際的な無線LANローミング基盤であるOpenRoamingに対応しました。これにより、従来の国内700以上のフリーWi-Fiスポットに加え、国内外300万以上のOpenRoaming対応スポットにも自動で安全に接続できるようになります。OpenRoamingの利用により、Wi-Fi接続時のセキュリティ強化が期待できます。

internet.watch.impress.co.jp

Amazon Alexa+の開発舞台裏

アマゾンが生成AIを搭載した新型Alexa「Alexa+」を発表しました。音声認識AIから生成AIへ移行することで、自然な会話でユーザーの意図を理解するようになり、10年前から目指してきた「世界最高のパーソナルアシスタント」実現に向けて、基盤から全面的に刷新されました。Amazon NovaやAnthropic Claudeなど複数の生成AIモデルを状況に応じて使い分け、ユーザーの好みや利用状況を学習したパーソナライズされた体験を提供します。既存のAlexa対応機器やサービスとの互換性を維持しつつ、Webの情報も活用することで、より幅広い情報提供とサービス連携を実現します。日本語対応時期は未定ですが、順次対応予定とのことです。

av.watch.impress.co.jp

VR空間での10代の活動

VR空間で青春を謳歌する10代の取り組みを紹介する記事で、VR高校での生活や友人関係、アバター制御装置開発、VR空間でのイベントプロデュースなど、VR技術を活用した様々な活動が詳細に記述されています。

www.nhk.jp

新世代LLM Mercury Coder

新しい大規模言語モデル(LLM)「Mercury Coder」が発表され、画像生成AIで用いられる拡散モデルを採用することで、既存モデルと比較してコード生成速度が最大10倍向上し、少ない計算資源で高性能を実現したことが報告されています。ChatGPTやClaudeなど既存のLLMとの比較検証も行われ、Webサービスとして公開され、GPT-4やClaudeなど既存のLLMと競合する新たな選択肢として注目されています。

www.itmedia.co.jp

AIフェイク動画によるゼレンスキー氏とトランプ氏の殴り合い動画

TikTokがAI画像生成機能強化のため、Sora技術活用やMicrosoftとの連携を模索しており、AI関連機能拡充による競争力向上を目指しているという内容です。

www.itmedia.co.jp