Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/02/19 #105 - 今日の技術情報ダイジェスト

rinnaのDeepSeek R1蒸留モデルとCyberAgent版大規模言語モデルの比較

rinnaとCyberAgentが、それぞれDeepSeek R1をベースとした日本語大規模言語モデルを公開しました。rinna版はQwen2.5をベースに独自に蒸留されたモデルで、CyberAgent版はDeepSeek R1を日本語化して蒸留したモデルです。両モデルは高い性能を示しており、特にrinna版は安定性に優れているとされています。記事では、具体的な使用方法、両モデル間の違い、そして蒸留手法についても解説しています。

nowokay.hatenablog.com

AIアシスタントCursorを用いた効率的なコーディング

大規模コードベースにおいて、AIアシスタントCursorを活用したコーディング時間短縮手法を解説しています。AIモデルの限界を理解した上で、プロジェクト設定やプロンプト作成の重要性を指摘し、Cursor Composerの効率的な利用方法として、適切なモデル選択、設定、cursorrules、NotePads、cursorignoreの活用を提案。機能実装をステップに分割し、各ステップ毎にプロンプトを作成することで精度を高め、Gitコミット情報を活用して複数ステップに渡る実装における情報伝達効率を向上させる手法も示しています。

zenn.dev

スタートアップにおける自作開発の是非

深津貴之氏の記事「自作するな、そこはお前の戦場じゃない」では、スタートアップにおける開発リソースの有効活用について論じています。GAFAなどが提供するような汎用的な機能や、既に特化サービスが存在する機能は自作せず、自社独自の必須機能、他社が提供しない機能に開発リソースを集中すべきだと主張しており、既存ツールの活用や業務設計の見直しで代替可能なものについても自作は避けるべきだと解説しています。無駄な開発は技術負債となり、本来注力すべき競争優位性の構築を阻害すると警鐘を鳴らしています。

note.com

GitHub Copilotによる開発生産性向上効果と課題

GitHub Copilotの活用に関する複数の調査結果が報告されており、プルリクエスト数約26%増加など開発生産性の向上を示唆しています。マイクロソフトやアクセンチュアでの実験ではコミット数やビルド数増加も確認されましたが、ビルド成功率の低下も報告されています。生産性向上は作業時間短縮、コード品質向上、開発者満足度向上といった多角的な側面から確認されており、SPACEフレームワークを用いた分析ではチームにおける協調性向上も示唆されています。一方で、Copilotの活用率は低く、ベテラン開発者ほど利用率と生産性向上率が低い傾向が見られました。

mtx2s.hatenablog.com

Windows 11 24H2対応CPUリストの解釈と動作確認方法

Windows 11の最新バージョン24H2に対応するCPUリストにおいて、一部のIntel CPUが掲載されていないことが話題になっていますが、リストにないCPUでもWindows 11のシステム要件を満たせば動作する可能性があります。リストは最新のCPUを全て網羅しているわけではなく、Windows Updateで更新されるため、掲載はあくまで動作保証であり、未掲載であってもシステム要件を満たせば使用できる場合があります。確実に動作を確認するには、PC正常性チェックツールを利用したり、実際にインストールして動作確認を行うことが推奨されます。

mbp-japan.com

ドコモFOMAサービス終了と古い機種への影響

2001年から提供されていたNTTドコモのFOMAサービスが2026年3月31日に終了し、それに伴い2Gサービスmovaも2024年1月までに終了予定であるため、古い機種「F503i」が雑誌付録として復刻されました。この復刻版では、子どもたちが着メロをプログラミングできる点が特徴です。FOMA終了により、古い機種が利用できなくなることや、一部サービス停止、IoT機器への影響などが懸念されており、新しい機種への買い替えが推奨されています。

www.itmedia.co.jp

複雑系システムにおけるイベント駆動型アーキテクチャとCQRS/ES

複雑系システムにおける変更容易性、データ一貫性、スケーラビリティ、可用性、リアルタイム性、セキュリティといった課題に対し、同期型APIによるシステム間連携の抱える脆弱性(故障の影響波及、疎結合の欠如)を克服する方策として、イベント駆動型アーキテクチャとCQRS/ES(コマンドクエリ責務分離/イベントソーシング)が提案されています。CQRS/ESはコマンドとクエリを分離し、イベントを用いた状態管理によってダブルライト問題を回避することで、システムの変更容易性を向上させ、マイクロサービスアーキテクチャへのスムーズな移行を支援します。

speakerdeck.com

Vercelが提供開始した高速サーバレスプラットフォームFluid Compute

Vercelが、アイドルタイムを解消し、1つのコンテナで複数関数を同時に実行するIn-function concurrency機能により高速化を実現した、従来のサーバレスよりも高効率で高速な「Fluid Compute」を発表しました。コールドスタートの削減やバイトコードキャッシングによる高速化も特徴で、Vercel Functionsで利用でき、既存コードの変更は不要です。

www.publickey1.jp

大規模言語モデルのWebアクセス効率化のためのLLMs.txt

大規模言語モデル(LLM)のWebアクセス増加によるサーバー負荷軽減のため、Webサイトの構造やコンテンツ情報をまとめたファイル「LLMs.txt」が提案されています。これは、LLMがWebサイトを効率的に処理するための情報をMarkdown形式で記述したファイルで、「llms.txt」の要約版と「llms-full.txt」の完全版が存在します。既に著名なAIサービスでも採用事例が増えていますが、まだ標準化されていないため、現時点では手動で作成・管理する必要があります。

zenn.dev

OpenAIによる詳細なレポート作成AI「Deep Research」の無料化

OpenAIが、これまで有料プランのユーザー限定だった高度なレポート作成AI「Deep Research」を、無料ユーザーであるChatGPTユーザーにも提供予定であると発表しました。Deep Researchは、大規模言語モデル(LLM)を活用し、ビジネス分析などの複雑なタスクにも対応できるAIで、サーバー拡充により利用範囲が拡大すると期待されています。OpenAIは、複数のAIモデルを統合することでユーザー体験の向上を目指していますが、AIの精度や信頼性向上、イーロン・マスク氏との訴訟など、課題も多く抱えています。

www.gizmodo.jp

東京都公式アプリ「東京アプリ」と東京ポイント

東京都が公式アプリ「東京アプリ」をリリースし、社会的意義のある活動への参加で「東京ポイント」を獲得できる仕組みが導入されました。 一方で、AI開発の現状と将来像に関する記事では、2025年までにAI開発の新たな転換期が訪れると予測され、AI開発の加速化に伴う倫理的な課題や社会への影響、2030年を見据えた将来像と対策、AI技術の進化による社会変容への対応策などが議論されており、Sakana AI社のCOOはAI技術の倫理的な利用を訴えています。

www.itmedia.co.jp

MonotaRO社の生成AI搭載Slackbot「MonoChat」導入と活用事例

MonotaRO社は生成AIを活用したSlackbot「MonoChat」を全社員向けに導入し、1日900~1000件もの利用実績を誇るまでに定着しました。MonoChatはメール作成や企画書の下書きといった非エンジニア社員にも活用されており、さらに高度な機能が必要な用途には、コストパフォーマンスに優れた生成AI「LibreChat」を導入し、ファイル分析などの機能を提供しています。LibreChatも好評で利用者増加しており、今後は全社展開を目指し、使いやすさの向上に努めていく予定です。

tech-blog.monotaro.com

GoogleのAI搭載ノートアプリNotebookLMとその活用法

Googleが発表したAI搭載ノートアプリ「NotebookLM」は、PDFやWebページなどの情報を整理できる機能を持ち、GoogleのAIモデルGeminiと連携することで高度なAI機能を提供します。有料版「NotebookLM Plus」やGoogle Workspaceとの連携も開始され、DeNAもAI活用の一環としてPerplexity AIやNotebookLMとの連携を検討しているなど、ビジネスシーンでの活用も期待されています。

www.itmedia.co.jp

Pimax社の超高精細VRヘッドセット「Crystal Super」

中国のPimax社が、世界初の網膜レベル超高精細ディスプレイを搭載したVRヘッドセット「Crystal Super」を発表しました。57PPDという高いピクセル密度により、ほぼ画素が見えないリアルな映像を実現しており、QLEDとミニLEDバックライト、マイクロOLEDを組み合わせたディスプレイを採用しています。ハイエンドゲームユーザー向けで、2025年第1四半期に日本での発売が予定されています。Pimax社はデバイス開発に特化し、技術力で競争優位性を築いている企業です。

36kr.jp

Docker AI AgentによるDockerfile最適化とエラー解決支援

Docker社がDocker Desktop 4.38ユーザー向けにAIアシスタント「Docker AI Agent」のベータ版を公開しました。これは、Dockerfileの最適化やエラー解決、Dockerに関する一般的な質問への回答をチャット形式で提供するサービスで、Docker Desktop上で利用可能です。バックエンドはDocker社のサーバーで稼働しており、リアルタイムなガイダンスを受けることができます。

www.publickey1.jp

Findy社のエンジニア教育メソッド

Findy社はエンジニアの急増に対応するため、独自開発したエンジニア教育メソッドをFindy Tech Blogで公開しました。このメソッドは「目の前のことに集中」「段階的学習」「正しい手順」の3点を重視し、GitHub上で公開することで社員からの改善提案を受け付け、PDCAサイクルを回しています。具体的には、Pull Request作成数の増加といった成果が既に出ており、個々のエンジニアの成長と組織全体の生産性向上に貢献しています。

tech.findy.co.jp

NAS用途に最適化されたミニPC GMKtec NucBox G9

GMKtecから発売されたミニPC「NucBox G9」は、Intel N150プロセッサを搭載し、M.2 SSDスロットを4基、2.5GbEポートを2基備えたNAS構築に最適な製品です。Windows 11 ProとUbuntu 24.10のデュアルブートに対応し、ソフトウェアRAIDによる冗長構成も可能で、省スペースかつ静音性に優れています。高速なSSDと2.5GbEポートにより、コストパフォーマンスの高いNAS環境を構築できます。

pc.watch.impress.co.jp

AMDのCPU、GPU、ドライバーに関するセキュリティ脆弱性情報

AMDはRyzen、EPYC、Radeonを含むCPU、GPU、ドライバーなどに影響する11件のセキュリティ脆弱性を公表し、BIOSやソフトウェアのアップデートを呼びかけています。複数のシステム管理モード(SMM)の脆弱性が含まれており、攻撃者による任意コード実行やサービス拒否攻撃のリスクがあります。速やかに最新のアップデートを適用して、これらの脆弱性に対する対策を行うことが推奨されます。

forest.watch.impress.co.jp

cheero社の首掛けモバイルバッテリーNeckCharge 7000mAh

cheero社から、7000mAhの大容量バッテリーを搭載した首掛け式モバイルバッテリー「NeckCharge 7000mAh」が発売されました。価格は6980円(限定200台は5980円)で、VRヘッドセットやスマートグラスの使用に最適な設計となっており、両手が自由になる首掛けスタイルと、左右に配置されたUSB-C入出力ポートが特徴です。安全機能も充実しています。

pc.watch.impress.co.jp

Kindle本をMacで高速テキスト化する方法

Mac標準アプリの「ショートカット」とスクリプトエディタを用いて、Kindle本を高速でテキストデータ化し、NotebookLMで使用する方法を解説した記事です。Kindle本のスクリーンショットを自動で取得し、画像からテキストデータへの変換を自動化することで、プログラミング知識がなくても大量のKindle書籍を効率的にテキスト化できます。ノーコードでOCR処理を実現する点が特徴です。

note.com

MacでKindleのスクリーンショットを自動化しPDF化する手順

MacbookでKindleのスクリーンショットをAppleScriptを用いて自動化し、Xnconvertによる画像トリミング、Mac標準機能によるPDF化、必要に応じてAdobe Acrobat Pro(有料)によるOCRとテキスト化を行う方法を紹介しています。プログラミング知識は不要で、電子書籍のテキスト化を効率化できますが、著作権に注意し、個人利用の範囲内で使用する必要があります。

engineer-ganbaru.com

大規模データ処理におけるシングルノード処理技術(DuckDB、Polars)

大規模データ処理は従来分散システムが主流でしたが、近年DuckDBやPolarsといったシングルノードでも高速処理可能な技術が登場し、コスト面でもクラウド利用時の料金が劇的に変わらないケースが多いことから注目されています。本記事では、テーブルデータの前処理にこれらの技術を活用する方法について解説しており、分析やデータマート構築だけでなく、機械学習の前処理への有効性、Pandasよりも高速でコードが読みやすくユニットテストも容易なPolarsの特徴、複雑な処理はPolarsで記述しユニットテストを実施、DWHはシンプルなクエリに限定する開発手法などが紹介されています。

yng87.page

Kotlin、Java、Swift、Objective-Cにおけるコードの可読性向上

Kotlin、Java、Swift、Objective-Cにおける可読性の高いコードの書き方について解説しており、具体的な関数名(fooFunctionaddregisterDefinitionなど)とその機能、パラメータ、戻り値、Dictionaryクラスなどのデータ構造と使用方法、コメント(TODO、FIXMEなど)の記述方法とツール(KDoc、Javadocなど)、テストカバレッジ、メッセージ表示、プロファイル画像表示、リスト操作といった具体的な処理フローの例をコメントと共に示しています。

speakerdeck.com

Github Copilot Agentを用いた開発効率化実験の結果

Github Copilot Agentを用いた開発効率化実験の結果として、Pull Request数が約4倍に増加し、コード作成にかかる時間が大幅に短縮されたことが報告されています。これは、Copilot Agentによる定型作業の自動化やアイデア実現ハードルの低下が開発速度向上に大きく貢献したためです。一方で、チームワークの重要性や新しい開発体制への適応が課題として挙げられています。

note.com

生成AIの高度な活用法とリスクに関する議論

AI研究者とマイクロソフトエンジニアによる生成AI活用に関する対談記事で、業務におけるGitHub CopilotやBingの活用事例、セキュアモードの安全性検証、ChatGPT、Gemini、Perplexityなどの生成AIを用いた論文調査や情報収集、月8万円以上の課金状況、さらには英語表現力向上や的確な命名・ログ記述へのAI活用方法などが紹介されています。

bunshun.jp

岡山県病院におけるランサムウェア被害と教訓

岡山県のある病院で発生したランサムウェア攻撃に関する記事で、攻撃のあまりのずさんさから、情報セキュリティ対策の重要性と具体的な改善点を解説しています。 AI画像生成技術の進化と著作権・倫理的問題に関する議論、及びITメディアによる報道についても触れられています。

www.itmedia.co.jp

ChatGPTのセンシティブなコンテンツ生成に関する規制緩和

OpenAIがChatGPTのモデル仕様を更新し、性的描写や暴力描写を含むセンシティブなコンテンツの生成を、教育や医療といった適切な文脈下において条件付きで許可しました。これにより、これまで禁止されていた官能小説なども、露骨でない範囲で生成できるようになり、ユーザーからの検閲緩和を求める声に応える形となっています。ただし、未成年者関連や違法行為に関するコンテンツは引き続き禁止されています。今回の規制緩和は、競合他社の台頭やシリコンバレーにおける価値観の変化といった背景も影響していると考えられます。

gigazine.net

時系列基盤モデルChronos-Boltを用いた時系列予測の実践

時系列予測ライブラリChronos-Boltを用いたKaggleの「Store Sales」データによる予測実験の結果が解説されています。ゼロショット推論、ファインチューニング、特徴量外挿の3つの手法を試行し、それぞれの手法における予測精度を比較、可視化結果も提示しています。特に特徴量外挿においては、降水量などの追加データによる精度向上を確認しています。

acro-engineer.hatenablog.com

日本企業におけるDX推進の現状と課題

日本企業におけるDX推進の現状を分析し、デジタル化との違い、日本の「カイゼン」文化がDXを阻害する要因、経営層と現場の主体的な取り組みの必要性、そしてDXにおけるビジョンと技術の役割について解説しています。

japan.zdnet.com

PowerToysとWindows Terminalの新機能開発とWinGet統合

PowerToysとWindows Terminalの開発チームが共同で、Windowsアプリを簡単にインストールできる新機能を開発中です。この機能は、コマンドラインでWindowsアプリをインストールできるツール「WinGet」をPowerToysに統合するもので、PowerToys Runを拡張することで、GUI上でWinGetを利用可能になります。パッケージの検索、ダウンロード、インストールの進捗状況を視覚的に確認できるため、コマンドラインに慣れていないユーザーでも容易に利用できます。

forest.watch.impress.co.jp