Engineer's Digest - 忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト

忙しいエンジニアのための技術情報ダイジェスト。前日の話題をサクッと把握!

2025/02/13 #99 - 今日の技術情報ダイジェスト

プロジェクト管理のテーラリング

Qiitaの記事「PMBOK原理・原則:テーラリング入門 〜プロジェクトに合わせて "いいとこどり" する技術〜」では、プロジェクト管理手法をプロジェクトの特性に合わせて調整する「テーラリング」の重要性について解説しており、規模、重要度、チーム体制、制約条件などを考慮したアジャイルやウォーターフォール手法の最適な組み合わせ方を紹介しています。金融システム更改事例に基づき、要件定義期間短縮、残業削減、若手育成といった成果も示されており、テーラリングの段階的な実施、チームとの連携、定期的な見直し、過剰な形式主義や簡略化の回避といった実践的なポイントについても触れられています。

qiita.com

ITエンジニアのための数学学習

レバテックラボの記事では、ITエンジニアにとって重要な数学的思考と、その学習に役立つ書籍5冊を紹介しています。ゲーデルの不完全性定理を解説した本や高校数学の復習書、美しい幾何学図形や生物学への数学応用を紹介する本など、数学的センス向上に繋がる幅広いジャンルの書籍が取り上げられており、数学学習の指針として活用できます。

levtech.jp

自宅環境監視システム構築

AnsibleとVictoriaMetricsを用いた自宅環境監視システムの構築事例を紹介しています。macOS環境からAnsibleでUbuntuサーバーを管理し、Node Exporterでサーバーのメトリクスを取得、SwitchBotセンサーで温度、湿度、CO2濃度を取得してVictoriaMetricsで収集、Grafanaで可視化、AlertmanagerとSlack連携によるアラート通知を設定しています。今後の運用改善や監視対象の追加についても言及しています。

memo.sugyan.com

アナリストへのPythonバッチ処理レクチャー

SQLを主に扱うアナリストへのPythonによるバッチ処理作成レクチャー内容として、API連携、Docker環境構築、関数分割、エラー処理、ロギング、jqを用いたJSON操作、コマンドライン引数・環境変数の活用、型アノテーションの重要性、異常系処理、テスト戦略、LLM活用(ただし初心者は基本を学ぶべきとの主張あり)などが紹介されています。

www.yasuhisay.info

IT業界の経歴詐称問題

東京地裁は、SES企業が未経験者をITエンジニアと偽装して派遣していた事件で、経歴詐称を認定しました。経営陣の指示によるもので、深刻な人材不足が背景にあると指摘されています。日本経済新聞の会員限定記事では、この事件の詳細と、IT業界に根付く人材不足、経歴詐称、企業倫理の問題点などが解説されています。

www.nikkei.com

Wacom Intuos Pro新モデル発表

ワコムが8年ぶりにプロクリエイター向けペンタブレット「Wacom Intuos Pro」を刷新し、small、medium、largeの3サイズで発売しました。前モデルと比較して軽量化され、描画範囲も拡大、駆動時間も向上しています。高精度ペン「Wacom Pro Pen 3」に対応し、マルチタッチ機能は省かれていますが、ExpressKeyリモート、物理ダイヤルを搭載し、USB/Bluetooth接続と3台までのPC接続に対応するなど、作業効率を向上させる機能が充実しています。また、替え芯を収納できる新デザインのペンスタンドも付属します。

pc.watch.impress.co.jp

富士通のATM・営業店端末事業撤退

富士通が、ATMや営業店端末などのハードウェア事業から2030年頃を目標に撤退することを発表しました。これはITサービス事業への構造改革の一環であり、銀行における顧客チャネルの改革でATM等の重要性が低下していることを背景としています。主力製品であるFACTシリーズなども提供終了となる見込みで、地方銀行からの反発が懸念されています。

xtech.nikkei.com

GoogleのAI天気予報システム

Googleが開発したAIによる天気予報システムが、従来の最高水準を上回る精度と速度で天気予報を行うことに成功しました。大規模コンピューターが不要なため、環境への負荷も低く、地球温暖化対策にも貢献すると期待されています。このAIは、欧州中期予報センターが使用する手法よりも高精度で、気象学におけるAI活用の大きな進歩を示しています。詳細は日経新聞電子版の会員限定記事で公開されています。

www.nikkei.com

Intelのセキュリティ報告書とAMD、NVIDIAの脆弱性

インテルが2024年の製品セキュリティ報告書を発表し、自社製品の脆弱性を374件対処したと報告する一方、競合他社であるAMDとNVIDIAにはより多くの脆弱性があると指摘しました。具体的には、AMDには修正計画のない脆弱性が78件、NVIDIAには深刻度の高い脆弱性が複数存在すると報告されています。

gigazine.net

さくらインターネットのクラウドサービス利用状況

日本のクラウドサービスであるさくらインターネットについて、ITエンジニアの視点から、業務利用における現状と課題を分析しています。海外大手サービスとの機能比較や、国産サービスとしての優位性、サポート体制、価格、サーバーレス関数やコンテナサービスなどの機能不足といった点が詳細に議論されており、中小規模サービスや個人利用との適合性についても触れられています。

togetter.com

Google Gemini 2.0 Flash活用事例

GoogleのGemini 2.0 Flashは、APIを利用することで高性能な大規模言語モデルを低価格で利用できるサービスです。TypeScriptなど様々な言語に対応し、柔軟なプロンプト作成が可能です。技術文書分析ツール「Tascario」の開発事例を通して、中間分析処理による効果的なプロンプト設計と、構造化出力によるJSON形式での情報抽出・処理の容易さを解説しています。

zenn.dev

生成AIとプログラマの未来

ティム・オライリー氏が、生成AI(Devin、GitHub Copilot Agent Modeなど)によるプログラミング自動化の現状と、それによるプログラマの仕事への影響について論じています。生成AIツールによってプログラミングの一部の自動化が進んでいるものの、オライリー氏は自動化によってプログラミングの専門化が進み、結果的にプログラマの需要は増加すると予測しています。一方で、生成AIがプログラミング自体を代替する可能性も示唆しており、プログラマは常に変化に適応し、新しいスキルを習得していく必要性が強調されています。

www.publickey1.jp

物理学者からOSSエンジニアへの転身

京都大学助教だった渡辺さんが研究で挫折した後、オープンソースソフトウェア(OSS)のsystemd開発に没頭し、世界2位の貢献者となりRed Hat社のシニアソフトウェアエンジニアとして活躍するまでの軌跡を紹介。OSSコミュニティからのフィードバックがモチベーションとなり、物理学研究で培った論理的思考がエンジニアリングに活かされている様子が語られています。

levtech.jp

インターネットアーカイブの危機

ネット上の情報は、ドメインの取得・放棄やサイト閉鎖によって容易に消失する危険性があり、セキュリティベンダーのブログがアダルトサイトに変わってしまう事例もあるほどです。多くのウェブページは10年以内に消滅する可能性があり、インターネットアーカイブもその維持には多大な費用と努力が必要な脆弱なシステムであるため、ウェブアーカイブの維持団体への寄付が重要となっています。

wirelesswire.jp

イーロン・マスクとOpenAIの買収劇

イーロン・マスク氏が率いる投資家グループが、OpenAIを約15兆円で買収しようと提案しましたが、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏がこれを拒否し、逆にマスク氏のTwitterを約1.5兆円で買収すると提案しました。マスク氏はOpenAIの共同設立者であり、OpenAIの営利化の方向性に不満を持っているとされ、今回の買収提案はOpenAIの営利化を阻止することが目的であると見られています。

gigazine.net

つよつよエンジニアになるための7つの習慣

エンジニア歴10年の著者が、高度なトラブルシューティング能力と高いコミュニケーション能力を持つ「つよつよエンジニア」になるための7つの習慣を解説しています。「つよつよエンジニア」像としてT字型人材を提示し、情報収集方法、Webサービス内部構造の想像、他チームの成果物からの学習といった具体的な学習法や、業界知識の習得、学んだことの共有、コミュニケーション能力向上、積極的な挑戦、フルスタック環境構築によるスキル向上などを重要視する内容となっています。

qiita.com

楽天のAIモデル「Rakuten AI 2.0」無料公開

楽天が、大規模言語モデル「DeepSeek R1」を含むAIモデル「Rakuten AI 2.0」シリーズを無料公開しました。DeepSeek R1はOpenAIの技術を基盤とした大規模言語モデルで、様々なAIサービスへの応用が期待されています。また、小規模言語モデルも合わせて公開されており、AI関連技術の強化を図る楽天の取り組みの一環です。これは、10月31日に発表されたAIチャットボット「Rakuten Link AI」に続く動きで、同社のAI戦略の更なる加速を示唆しています。なお、記事にはOpenAIのCEOのTwitter社株保有に関する情報も含まれていますが、楽天の発表とは直接関係ありません。

www.itmedia.co.jp

米CISAの新たなサイバーセキュリティ目標

米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)が、ITシステム及び製品設計分野におけるサイバーセキュリティ目標(IT SSGs)を発表しました。これはセキュア・バイ・デザインの原則に基づき、ソフトウェア開発プロセス(11項目)と製品設計(7項目)の計18項目から構成され、脆弱性対策やインシデント対応の改善を促進するための自主的な実践目標です。既存の分野横断目標に追加されるもので、今後金融サービス分野への適用も予定されています。

internet.watch.impress.co.jp

Intel Core Ultraシリーズ解説

Intel Core Ultraプロセッサーシリーズは、Meteor Lake(シリーズ1)とLunar Lake、Arrow Lake(シリーズ2)の2世代があり、シリーズ2はデスクトップ向け200S、ゲーミングノート向け200HX、薄型ノート向け200Vなど用途別に展開されています。Foveros 3Dチップレット技術を用いてCPU、GPU、NPUなどのタイルを柔軟に組み合わせ、Intel 4/3やTSMC N3/4/5/6といった複数プロセスノードで製造されています。性能、消費電力、用途(デスクトップ、ノートPCなど)に応じて最適なモデルを選択できます。

pc.watch.impress.co.jp

量子コンピューター「黎明」とスパコン「富岳」の連携

理化学研究所が、20量子ビットの高精度イオントラップ型量子コンピューター「黎明」とスーパーコンピューター「富岳」を連携させたハイブリッドシステムの稼働を開始しました。「黎明」はエラー率を従来比800分の1に抑える技術を搭載しており、「富岳」との連携により、科学研究における新たなブレイクスルーを目指します。これは、量子コンピューティングとスーパーコンピューティングの融合による新時代到来を示唆する世界初の取り組みです。

gigazine.net

Gemini Flash 2.0による動画要約

GoogleのAI「Gemini Flash 2.0」が、長尺動画を視聴し、要約テキストを提供する機能を発表しました。Webとモバイルアプリで無料で利用でき、多言語に対応し、英語での要約も可能です。画像認識にも対応していますが、音声出力には対応していません。AI特有の誤回答(ハルシネーション)の可能性があるため、あくまで参考情報として利用するべきです。

www.gizmodo.jp

古いRailsアプリのリフレッシュ方法

Evil Martians社が公開した記事では、古くなったRailsアプリケーションを12日間、1日1時間程度の作業で改善する方法を、依存関係の更新、起動速度の向上、テストの改善、セキュリティ強化など12個の具体的なタスクと共に紹介しています。libyear gemによる依存関係の古さの可視化やbundle_update_interactive gemを用いた効率的な更新方法、Vernierrbspyによるパフォーマンスプロファイリング、TestProfによるテスト分析、Ruby LSPによる開発環境の改善、データベースクエリ最適化、アプリの安定性向上策なども解説されています。

techracho.bpsinc.jp

Google One AIプレミアムの新機能NotebookLM Plus

Google One AIプレミアム(月額2900円)に、PDFなどからAIが回答する独自データベースを作成できる新機能「NotebookLM Plus」が追加されました。これは、AIが作成したデータベースを活用し、誤答を減らしデータ活用を支援する「AIリサーチアシスタント」機能も備えています。さらに、音声サマリー機能(英語のみ)やノートブック機能の強化、高性能AI「Gemini Advanced」の利用、2TBストレージなども含まれます。

www.watch.impress.co.jp

Tebiki社のスタッフエンジニア制度

Tebiki社のテックブログ記事では、同社のスタッフエンジニア制度について解説しています。マネジメント職ではなく技術専門職としてのキャリアパスで、テックマネジメントに責任を持ち技術領域でリーダーシップを発揮する役割を担います。個々の貢献者(IC)とは技術貢献の仕方が異なり、リーダーシップによる貢献が求められます。役割は組織のフェーズや規模によって変化し、Tebiki社では非連続的な組織成長への貢献が評価軸となっています。

techblog.tebiki.co.jp

DifyとReplitの比較分析

日本で人気のAIアプリ開発プラットフォームDifyは、直感的なUIと日本語対応、そしてAIアプリ開発の容易さから、特にIT人材不足が課題となる日本で高い支持を得ているのに対し、シリコンバレーではReplitの強力な機能、拡張性、オープンソース文化が、ハッカー文化とスピード重視の開発スタイルに合致し、好まれている。Difyはノーコード型で非エンジニアでも利用しやすく、日本語の情報発信も盛んな一方、Replitはコード重視で、リアルタイム共同編集やAI支援機能が魅力となっている。両プラットフォームは、それぞれの地域における開発文化やニーズに最適化されているため、成功を収めていると言える。

note.com

GitHub Copilot Language Server SDK

GitHubがCopilot Language Server SDKをリリースしました。このSDKにより、開発者はGitHub Copilotの機能を自身のIDEやツールに統合できるようになり、AIによるコード補完機能などを提供するカスタムエディタ拡張機能を開発可能になります。 GitHubのウェブサイトには、AI/ML、開発スキル、エンジニアリング、エンタープライズソフトウェア、ニュース、オープンソース、セキュリティ、GitHub Copilotの使い方、AIコード生成、開発者向け学習リソース、ベストプラクティス、エンタープライズ向けAI導入方法、DevSecOps、オープンソース情報、GitHub最新情報などが掲載されています。

github.blog

DeepRAGによるRAG性能向上

ナレッジセンス社が公開した記事では、Retrieval Augmented Generation(RAG)の検索精度を向上させる新たな手法「DeepRAG」が紹介されています。DeepRAGはOpenAIの「Deep Research」と同様の機能を既存のRAGに追加することで、従来のRAGが抱えていた、複数の質問への対応不足や不要な検索といった問題を解決します。マルコフ決定過程を用いることで、必要な情報のみを検索し、回答精度を向上させる仕組みです。実験結果によると、DeepRAGは従来手法と比較して回答精度が約22%向上したと報告されています。

zenn.dev

OpenAIの自社製カスタムチップ開発

OpenAIがNVIDIAへの依存からの脱却を目指し、自社開発のAI向けカスタムチップを2025年中に量産開始すると報じられています。台湾積体電路製造(TSMC)による製造委託となり、AIモデルのトレーニングと実行の両方に対応するチップで、導入初期は主にモデルの実行に利用され、NVIDIA製チップからの完全移行は段階的に進められる予定です。

gigazine.net

USB-C磁気着脱式コネクタレビュー

USB-Cポートの破損防止に役立つ磁気着脱式コネクタを採用したAUFU製の240W対応USB-C電源アダプタのレビュー記事です。180度可動する設計で使い勝手が向上しており、高速データ転送や映像出力には対応していませんが、給電用途に特化し、強力な磁力と取り外しツール付きで安心安全に利用できます。2個セットで約2000円というコストパフォーマンスの高さも魅力です。

japan.cnet.com

PythonレトロゲームとLLMコーディングの著作権

しらいはかせ氏が「窓の杜」に寄稿した、Geminiを用いたPythonによるぷよぷよ生成の記事について解説しています。レトロゲーム作成における生成AIの可能性と、プログラムコードの著作権、特にLLMによる生成における類似性の問題点を考察し、ぷよぷよeスポーツ公式プロジェクトの存在を根拠に、今回の事例は著作権的に問題ないと結論づけています。さらに、Pyxel開発者参加の無料イベント開催情報も掲載されています。

note.com